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明日から開幕する大宮競輪「スポーツニッポン新聞社杯」に参戦する上田尭弥(熊本・113期)。前レース(伊東競輪場・スポーツニッポン杯争奪戦)で確かな手ごたえを掴んで今節を迎えた。
「最終日、しっかり先行できました」と語る表情には調子の良さがにじみ出る。大宮は全国でも珍しい500mバンクだが、「苦手意識はないですね。走りにくくないイメージを持っています」と相性の良さを口にする。見せ場の長い500mバンクで、上田のスピード感あふれる自力勝負がどう炸裂するか期待が高まる。
前検日の検車場で、上田はどこかリラックスした表情を見せてくれた。
この日の装いは、全身オールブラックにゴールドのアクセサリーをアクセントにしたスタイリッシュでシンプルなスタイル。記者からの「今日の服装」についての質問に、少し照れくさそうに笑った。
「実は洋服のコーディネートを選ぶのが苦手で……。これまでは姉が選んでくれていたんですけど、今日は奥さんに選んでもらったものを着てきました(笑)。前検日だしシンプルがいいかなと思って。今日のテーマは『シンプル』です!」
そう語る上田の遠征用トランクには、奥様が選び抜いたコーディネートがぎっしりと詰まっているそうだ。
昨年結婚した奥様の存在は、レースパフォーマンスの向上においても欠かせない大きな支えとなっている。特に食事面でのケアには頭が上がらないという。
「朝は基本的に食べなくて、プロテインとかを飲むくらい。昼は練習と練習の合間に自宅に帰って、妻の手料理を食べます。基本、妻の手料理ですね」
結婚しても外食をほとんどしないスタイルは変わらないようだ。
「重たいものを食べるとレース中に体の調子が良くない時があるのと、体重を落とそうと思っているので、いま食事を変えているところで。塩分を控えめにしたり、薄味にしたり。妻が自分の仕事もあるのに『アスリート飯』を勉強してくれたんです。本当に感謝しています」
最高のパフォーマンスを追求するための徹底した食事管理。多忙な仕事を抱えながらも夫のために献身的に学び、支えてくれる妻への感謝の想いが、上田の走りの大きな源泉になっている。
そして、上田にはもう一つ、胸に秘めた強い想いがある。7月28日に発生した熊本地震だ。
「あの日はレース(和歌山)で熊本にはいませんでした。2ヶ月が経過した今も時々余震があって、『また大きな地震があるんじゃないか』という不安があります」と当時を振り返る。
幸いご家族は無事だったというが、被災した地元・熊本への心配と、日頃から応援してくれる人々への感謝は尽きない。
「地元の期待に応えられるようにがんばりたい」
愛妻の温かいサポートと、故郷・熊本への想いを胸に挑む今節。「火の国魂」で繰り出される力強い勝負で、勝利のゴールラインを一番に駆け抜ける姿に期待したい。