グレードレース

笑顔なき、表彰式

2023/07/25

福井競輪 開設73周年記念不死鳥杯決勝

 油蝉の蝉時雨の中、福井記念、不死鳥杯決勝戦が連日の猛暑日の中、行われた。Vゴールを駆け抜けたのは、大阪の古性優作選手。表彰式では喜びの顔を見せるかと思いきや、終始笑顔無き表彰式となった。

 「今日は近畿別線を選択したし、脇本さんの前を回る藤井君との力勝負と思っていた。初手は前受けからの組み立て。その後は藤井君が来たら、すかさず、仕掛けて真っ向勝負と。けど、藤井君が来た時に脇本さんが付いてこなくて、そこで考えていたプランが崩壊。気持ちを切り替えて、稲毛さん(まだ記念Vがない)にもチャンスがある様にと、早目に仕掛けるつもりだったけど、反応が悪く、清水君より先に仕掛ける事が出来なかった、その後に仕掛けて出切れる事は出来たけど、苦しくて、全く余裕はなく、稲毛さんの優勝かなと思いながら踏んでいました。けど、後ろに佐藤さんがいるとは全く思わず、本当に余裕がなかったんだなと。準決では地元勢を連れ込む事が出来なかったし、厳しい四日間でした。優勝したからと言って、今の状態でもろ手を上げて喜ぶ事は出来ない。これで、喜んでいたら、この先、それだけの選手になってしまうし、上位の選手と勝負が出来ないと思う。今回の状態の悪さの原因は自分でも分かっているし、この後のオールスターに向け、脇本さんにお願いして、一緒に練習をして臨みたい。今回の優勝は嬉しくないと言ったら語弊があるけど、正直、今の気持ちはそんなところです」。

 終始、厳しい顔で共同会見で述べた古性選手。より一層高みを目指す姿勢には感服したし、彼が言う様に、修正を果たす西武園オールスターでの雄姿を目に焼け付けたいと思う記者でした。