アオケイ・小田競・中部競輪・競輪研究4紙合同の競輪サイト
この度、コラムを書かせていただくことになった麻雀プロの滝沢和典です。
タイトルは阿佐田哲也さんの「麻雀放浪記」から。初めて車券を購入してから10年ほど空いていたので競輪歴はそれほど長くはありませんが、ここ2年くらいは再びどっぷりと競輪にハマっております。
第73回高松宮記念杯競輪が開催される岸和田競輪場に初めて行ったのは昨年の7月のこと。麻雀の仕事で大阪に行った際に延泊して足を運んだ。迫力のある関西弁で応援や野次が飛び交っていて噂に違わぬ活気を感じたのだが、その中でもひと際大きな声でヤジを飛ばす兄さんが4コーナー辺りに陣取っていた。
「これが競輪じゃー--!!」
大声で真横で観戦していた私の鼓膜をビリビリと揺らす。レースの臨場感はもちろん、これも場に足を運ばなければ味わえない醍醐味のひとつなのである。友人に聞いたところ「あの人は関西の場では有名、開催日には必ず来ている」とのこと。
福島の佐藤慎太郎選手はSNSでのヤジには腹が立つこともあるが、場で飛び交うヤジには愛を感じるという。確かに兄さんのヤジは厳しくも温かい。本当に競輪を、選手を愛しているのが伝わってくる。これは麻雀業界も同じで、誹謗中傷に等しいものもあれば的確な指摘もある。きっと選手が受け取る印象はどちらの業界も変わらないだろう。
年末年始、再び岸和田に行く機会があった。今回は予想の仕事を頂いての訪問だったので基本的にはスタジオの中にいることになる。それでもせっかく競輪場にきたからには金網の近くで観戦したくなり、無理を言って1レースは外で観戦させてもらった。向かうは4コーナー付近だ。すると「必ず来ている」はずの兄さんの姿がない、姿が見えなくとも声が聞こえるはずと耳を澄ますがやはり聞こえてこない。場の方に「前回4コーナーにいたお兄さん今日はいないんですね」とたずねると「あー○○さんですか。しばらく出禁になっちゃいました」だって。競輪を愛しすぎたんだな。
滝沢 和典 プロフィール
競技麻雀のプロ雀士。
日本プロ麻雀連盟所属。
MリーグではKONAMI麻雀格闘倶楽部に所属。
愛称はタッキー。
キャッチフレーズは「越後の奇跡」、「麻雀バガボンド」
生年月日: 1979年12月6日 (年齢 42歳)
血液型:B型
出生地: 新潟県 長岡市