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大宮競輪場では30日に「日刊スポーツ新聞社杯(FI)」が開催最終日を迎える。S級決勝12Rに出場する伊藤慶太郎に話を聞いた。
連日、逃げ粘って3着、2着で決勝進出を決めた伊藤。前走の富山記念から好走を続けており、復調気配が漂う。
その要因は「平原康多さんのおかげ。練習を見てもらったり、前回から使っているフレームも平原さんのもの。平原さんが試して合わなかったみたいで、自分が乗ってみたら感じが良かったので買い取りました」と話し、「状態面はいいですね。久々の決勝が地元戦で凄く嬉しい」と笑みをこぼす。
今年2度目、5月末の青森以来半年ぶりの勝ち上がりに「長かった。苦しかったです。でも耐えて、耐えて…我慢の時期でした」。そう言葉を絞り出す伊藤の表情からは苦悩が伝わった。
心が折れそうになっても踏ん張れたのは、尊敬する先輩たちの存在があった。
「やっぱり平原さんや(宿口)陽一さんの存在は大きい。この一年、陽一さんは苦しんでいたけど、それでも前向きな姿勢で練習に励んでいるところを間近で見てきた。自分より遥か上のステージで戦っている二人の姿が刺激になりましたね」。
予選で連携した芦澤辰弘は伊藤についてこう話す。「慶太郎は95点の脚ではない。この辺でくすぶっている選手ではないですよ。やっぱりS1を狙える自力選手だと思うし、キッカケひとつでもっと強くなると思う。いずれは埼玉、関東を引っ張っていく選手になるだろうし、期待しています。僕も初日は抜けたけど、そのうち抜けなくなる(笑)」。
伊藤のポテンシャルは確かだし、これからの埼玉、関東地区を引っ張っていってほしい選手のひとりだ。苦しい時期を乗り越え、力強さが戻ってきた伊藤が地元の決勝でリスタートを切る。