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地元のスター・中川誠一郎選手(熊本85期)に特別インタビュー! 熊本地震のことやここまでの取り組み・振り返りなど、地元再開を直前に控えた思い・意気込みを聞いてきた。
――いよいよ8年4ヶ月振りに熊本競輪場が再開します。当時のことをお聞きしたいんですが地震があったときはどうされてたんですか。
ナショナルチームの活動もあって川崎に家を借りていてそこに居ました。そのときは全日本トラックの直前で練習していてちょうど夜ご飯食べてたかな。そしたら携帯がめっちゃ鳴ってみんなからたくさん「大丈夫ですか?」って連絡が来てなにがあったのかなと思って調べたら熊本で震度7ってなってて一気に血の気が引いた。心配だったけどしばらくしたら家族とも連絡付いたし電気や水道はダメだけど家はなんとか大丈夫で良かった。
――ご家族と離れていたから心配ですよね。そのあとはどうしたんですか。
そのあと全日本トラックにも出ようとしたけどスタッフや色んな人と話をしてそんな状況じゃしっかり集中出来んってなって欠場して1週間くらい熊本に帰った。まだ代表内定はしてなかったけど今までのポイントで代表はほぼ大丈夫って状況だったからそこは良かったかな。
――熊本に戻ってからはどのように過ごされてたんですか。
家の中の片付けはもちろん、競輪場もぐちゃぐちゃだったから片付けして。あとは水道が止まってるから30分くらい歩いてお風呂入りに行ったりとか。
――そのあとすぐに優勝した静岡の日本選手権ってことですよね。
開催もやるかどうか分からなかったし出るかどうかも微妙だったけど出ることにして。でも1週間以上練習もしていなかったし2、3日は川崎戻って練習出来たけどもちろん優勝なんて出来るなんて思ってもなかったしお帰りかなって思ってた笑。まさかの結果だったしあの開催は全部展開が向いてたし風が吹いてたよ笑。
――あのダービー決勝は単騎でしたけどどう走ろうとかありましたか。
深谷が絶対巻き返すと思っていたから付いていこうと思っていたし、新田も地元付けてたから抵抗して踏み合いが起きるんじゃないかと。みんなには粘った方がいいって言われたけど慣れないことやるよりは自分がやってきたことを信じて行くところで行こうと考えた。
――そしてバック前くらいで出切りましたね。
しっかり仕掛けられて良かったけど出切ったときにもしかして優勝するんじゃない?って思ってしまってめちゃくちゃなフォームで走ってた。今でも映像見るとおかしいなと思う笑。
――そのダービーの優勝は競輪人生で1番ですよね。
圧倒的に1番だね笑。そもそもダービーなんて取れる人の方が一握りだし、ましてや震災があってすぐの優勝だから。
中川選手行きつけのお店でインタビュー
――それでしばらくしてリオ五輪ってことですね。オリンピックは2回出ましたけど振り返るとどうでしたか。
リオは2回目だったしギリギリって感じだったからプレッシャーとかもなかったけど全然ダメだったね笑。むしろロンドンのときは序列を見ると3、4番目じゃない?ってなってもしかしたらと思ったけど緊張しちゃってすぐ負けてしまった。普段だったら絶対に負けないんだけどね笑。
――リオが終わってからは熊本にすぐ戻ったんですか。
そう。川崎に居たのはロンドンからリオの間で4年ちょっとくらいだったかな。
――その頃にはある程度は生活出来る状況だったんですか。
普通に生活は出来る状況だったし、競輪場も補修とか終わってバンクは乗れる状況だった。
――そして2017年はS班になるわけですがどうでしたか。
最初の和歌山記念で優勝出来たんだけどそのあとの奈良記念で落車してしまってウィナーズカップとかからすぐに復帰したけど1年間全然ダメだった笑。
――やっぱりS班になるとそれだけで人気することがありますけどオッズは見る方ですか。
オッズはよく見るよ。でも人気してるからってプレッシャーになるとかではなくて自分の想像とどうかなと思って見る。人気してるときや自分が人気じゃないって思ってるときはいいんだけど、このメンバーで世間の評価はこれかってなるときもあってそれはちょっとショックだね笑。
――そして次にGⅠを優勝するのは2019年の別府全日本選抜競輪ですね。あのときも単騎でした。
別府のときは地元地区であるって分かってたし、S班のときに活躍出来なかったからしっかり練習した。あとは1回GⅠを獲っているのも大きかったね。吉澤が武田さん付けて発進すると思ったけどしなくて。真久留と併走になったけど粘ってもイマイチだし地元地区1人で出し切れないと良くないから一気にカマしたって感じ。準決勝でも先行してペースも分かっていたしGⅠの優勝経験もあって充実して仕掛けられてたかな。最後慎太郎さんが中割ってきて優勝したかは微妙だったけど声援で優勝したって分かった。
――そして同じ年に岸和田高松宮記念杯競輪と。
あれはもうワッキーのおかげ笑。鐘先行で男気出してた。ワッキーにはカマしたときに粘られたらごめんって言ったら「俺のカマシに飛び付けるやつが居ると思ってるんですか」って言われたよ笑。ずっと一緒に練習していたしここからかかっていくんだなーとかも分かってたから落ち着いて追走出来たよ。
――2020年のS班生活はどうだったんですか。
その年は怪我とかもなかったけどここ1年安泰なんだなーって思ってたら気が付いたら終わりの方だった笑。みんなはまた維持しようとか思うんだろうけどそんなタイプじゃなかったし俺にはS班は向いてなかったと思う笑。
競輪場に入ってきた中川選手
――今年の10月には地元バンクで記念が出来ますけど地元記念優勝は久留米代替になってからですよね。400mの方が走りやすいとかですか?
代替えになってから3回優勝かな?やっぱり熊本でやっているときは空回りしていたかも。振り返ると普段は全然なのにそのときはガチガチに入り込んでたし久留米になったときは地元記念だけどちょっと気楽だった気がする。
――熊本も400mになりましたけど500mのときと比べてどうですか。
直線は長めだけどその分カントがキツイ。膨れて捲りが決まりにくいこともあるかもしれないし先行するラインの方が有利かもしれないけどレースで走ってみないと実際は分からないね。
――熊本が再開するまでが復興だと言ってきたと思いますが8年4ヶ月振りに再開するにあたって色んなイベントやPR活動もあったりしました。
やっと、やっとって感じ。ここまでが復興って最初から言ってきたし一息付けるかなって感じではあるけどやっぱり一発目は優勝したいって思う。でもやっぱり肩の荷が下りてほっとしたかな笑。
――改修したのがここ2年くらいでそれまでの6年はそのままって形でしたが。
普通はすぐに取りかかって始まるんだろうけど当時は競輪の売り上げも落ちてきて採算が取れるか分からないって感じだったし、他にもやらないといけない施設があったから優先順位があと回しになったって感じ。
――そうなると実はコロナ禍が後押ししたとかあるんですかね。
そうなのよ。あれでミッドナイトをはじめ競輪の売り上げが上がってミッドナイトとかもやれば採算が取れるかもってなって改修に取りかかることになったのかなって。
――今、関東や中四国の若手が勢いありますけど九州の若手はどう見えてますか。
頼もしい以外になんにもない。俺の前を進んで走ってくれるなんて感謝しかないよ笑。前を走るタイプも色々居るけど前を買って出てくれるだけで嬉しい。
――早く九州の若手でタイトル獲って欲しいですよね。
それは獲って欲しいね。やっぱり泰斗とか賢人が近いのかな。
――若手でいうと弟子の吉田悟さんはどうですか。
まだまだだね笑。まだ3班で上がりたいとは言ってるけどなかなかね。練習も一緒にしたいって言うけどお互いにレース走ってるとなかなか合わなくてこないだゴルフで久し振りに会ったよ笑。でもプロだから自分で考えてやっていって欲しいし困ったときに聞いてくれればいいかな。まだそんなに聞いてこないから余裕があるのかもしれない笑。細かく指示するのもあるだろうけど俺は拘束されるのが嫌だからやらないかな笑。
初日特選でラインを組む嘉永泰斗選手と
――前走は向日町FⅠでした。初日は先行しましたし最終日は土生選手の後ろに回りました。
初日はちょっと調子に乗ったかも笑。特選だし行ってみようかなと思ってやったけどそのあと2日間キツかった。2日目はワッキーの弟子にやられたね笑。初日にあんなレースしたからめちゃくちゃ警戒されて全然ダメだった。最終日は横関が付かないってことだったから付かせてもらったよ。土生は気持ちの入った走りしてくれて強かったし嬉しかった。
――そしていよいよ地元戦です。予選スタートかと思いましたが欠場もあって特選に繰り上がりました。
特選スタートはデカいね。あとはやっぱり優勝したい。ダメなら泰斗や匠栄が優勝してくれればいいけど今回は優勝したい。でも最大の敵で北井が居るからみんなで倒していかないといけない。
――再開を機に多くのお客様が熊本に来られると思いますがオススメのスポットはありますか。
少し遠いけど阿蘇山が良いかな。開催と同じ日に行くのは難しいだろうから前後でもう1日確保してもらって是非。あとは井手らっきょさんがやっている「らっきょの小部屋II」。競輪で儲かったらここで美味しいお酒を飲んで下さい。負けたらもちろんやけ酒です笑。
――ここに来るまで歩いてドラクエウォークをしてたそうですが普段はなにをされてますか。
なんもやってないんじゃないかな笑。先日はMrs. GREEN APPLEのライブに行ったよ。あとはゲームだとPS5で龍が如くや他にはたまにゴルフとか。ゴルフはこないだ96でベスト出した。あとは子供2人と家で麻雀した笑。回数決めて始めたんだけど終わりになったはずなのに子供が何も言わずアガるまで終わろうとしないんだよね笑。
――熊本は今麻雀ブームが来てますもんね。
来てるね。泰斗や秀之介とか若手がいっぱりやってるし。最近はワッキーのおかげで麻雀プロの方とも知り合ったりしているし、滝沢さんのMリーグの結果とかもチェックして応援している。昨シーズンは優勝出来なかったけど次も頑張って欲しい。
――長いことインタビューさせて頂きありがとうございました。最後に改めて地元戦に意気込みをお願いします。
地元のみなさんに良い姿を見てもらえるように精一杯走って熊本勢みんなで盛り上げます。そして優勝したいです。熱いレースをしますので気温も高くて暑いですが是非競輪場に来て頂けたらと嬉しいです。よろしくお願いします。
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熊本競輪復活記念!中川誠一郎選手インタビュー記念開催中!(終了しました。)