グレードレース

【第75回高松宮記念杯&第2回パールカップ】開催展望/高松宮記念杯

2024/06/05

激しく熱く、華麗な6日間
 
 昨年大きな変革が行われた高松宮記念杯。1998年以来、25年振りに6日間での開催が復活。これまで通り準決勝までの勝ち上がりは東西に分かれての戦いだが、前半3日間は競輪祭や、オールスターでおなじみのポイント制での一次予選。全選手がそれぞれ2走して成績優秀者9人が4日目の青龍賞、白虎賞に、10位から36位が二次予選に進む。準決勝は東西で各2レース。1着、2着と3着から一名。勝ち残った9人が決勝で激突する。
 
近畿の旗頭はもちろん地元の絶対エース古性優作だ。宮杯3連覇を目指して出陣する。今年はGⅢ3勝とまずは順調な足取り。

ザ・ガードマン南修二、同期の神田紘輔、地元GⅠ初出走で意気上がる福永大松村友和。大阪の5人衆が息を合わせて奮走する。

現役最強、福井の脇本雄太はどこまで復調しているのか。代わって近畿を牽引するのは後輩の寺崎浩平になるのか。ここに来て復調する奈良の三谷竜生や、冴えを増す和歌山の東口善朋が近畿ラインに厚みを加える。

 

 北日本のS班コンビ新山響平佐藤慎太郎。両者とも悪くない走りを続けるが、ややインパクトを欠く。注目は6月から実戦に復帰する新田祐大だ。あっせん停止の間にエネルギー充填に成功してればいきなり快走だ。守沢太志はケガ続きだが、徐々に復調してる。

 

 関東は総大将の平原康多が選手権を制したことが最も明るいニュースだ。事故続きの昨年の事は忘れて戦いに臨む。地区最強の真杉匠はパワーは無論、すっかり風格を増す。同じく栃木の快速坂井洋や、完全復活を目指す吉田拓矢もV戦線に顔を出すはずだ。

 

 南関の第一人者、郡司浩平が全日本選抜を勝ってあっさりS班を決めた。

爆走王北井佑季、超速松井宏佑も控える神奈川は県単位では日本一かも深谷知広も申し分のない状態だ。13年振りの高松宮記念杯制覇を目指す。春先に12連勝。更に選手権決勝で2着。岩本俊介はそろそろ欲を出していい時期だ。

 

 中部は三重の浅井康太と岐阜の山口拳矢が二枚看板だ。浅井のスピードと支配力はまだまだ健在だが、選手権優参で復調の兆しを見せる山口の走りも楽しみだ。

 

 中国の両エースは近況明暗を分けている。清水裕友は昨年来、心身共に充実。脚とハートがマッチしているが、昨年のGP松浦悠士はウイナーズCの転倒が影響で戦線を離脱した。かつての抜群のコンビネーションを見せる事が出来るか。
 
四国の期待を一身に集めるのは徳島の犬伏湧也だが、ここに来て頭打ち。復調ムードの小倉竜二がまだまだ屋台骨を支える事になるのか。
 
 戦力的には九州も見劣りしない。スピードは嘉永泰斗がトップだが、西九州の両雄山田庸平荒井崇博の決定力も申し分がない。もちろん北津留翼の性能は依然としてピカ一だ。

 

東西選考順位ベスト9

東日本

真杉  匠 (栃木 113期 25歳)

契機は4年前の選手権優参。それ以来強烈な上昇曲線を描き、昨年はオール―スターに競輪祭とポンポンとGⅠを制覇。誇りを胸に徹底先行を貫くが、いざとなれば位置は取れるし、インをこじ開けたり逞しさも兼備する。

 

深谷 知広 (静岡 96期 34歳)

静岡に転籍して3年半。もうすっかり南関の選手になった。エンジンの性能は上昇期と同様。一旦主導権を握れば誰にも捲らせず、誰にも交されない逃げを打つ。今年は6年振りにS班に復帰。次に目指すのは13年振りとなる宮杯制覇だ。

 

佐藤 慎太郎 (福島 78期 47歳) 

絶品の捌きで先行型をガード、目標が不発なら抜群の勘と度胸で車群を縫って出る。昨年来、勝率が低下。限界説との戦いだが、3連
対率は依然として高く、G戦線で着実に優参を果たす。北日本の結束力を得てまだまだ活躍。

 

新山 響平 (青森 107期 29歳)

2年続けてS班の座をキープ。大半のレースは突っ張り先行。同型を封殺して物凄い逃走劇を再三演じる。新山強しを印象付けるが、肝心な所で勝ち星を逃すのがもどかしい。結果と内容。それを両立できれば最高だ。

 

郡司 浩平 (神奈川 99期 33歳)

昨年は4年間守ったS班の座から陥落の憂き目を見たが、全日本選抜を獲って今年はいの一番でGP切符をゲット。南関最強の座は依然として揺るがない。勝負所で見せる的確な判断力と、反応の鋭さは輪界有数だ。
  


北井 佑季 (神奈川 119期 34歳)

現役最強の先行選手。元はJリーグで活躍したバリバリのサッカー選手だ。2周近くを駆け抜ける抜群のパワーとスタミナの持ち主。鍛え上げられた筋肉と質と量は物凄い。目標はもちろんGⅠ制覇。今は競輪界の頂を目指す。

 

松井 宏佑 (神奈川 113期 31歳)

スピードスケートから転身。ヤングGP制覇を含めてまずは順風満帆の道のりだ。強烈なダッシュ力の持ち主で、スパートをかけるやあっという間に先頭に躍り出る。ラインのために献身的に駆けながら自身の勝利も手にする。

 

新田 祐大 (福島 90期 37歳)

競輪史上4人目のグランドスラム達成者。宮杯連覇の実績も持つ大選手だが、全日本選抜の失格で長期のあっせん停止。ただケガでないのは不幸中の幸い。強烈なカマシ、捲りは健在。目の色を変えて失われた時を取り戻す。

 

松谷 秀幸 (神奈川 96期 31歳)

出身は大阪。ヤクルトスワローズにドラフトされたが、ケガのために戦力外に。競輪選手としては強い気持ちとここ一番の勝負強さが武器。たとえ泥臭くても結果はきっちりと出す。GⅢ制覇は3度、先般全日本選抜でGⅠ初優参。

 

 

西日本

古性優作 (大阪 100期 33歳)

昨年は3度のGⅠ優勝。見事MVPに輝いた。今回の目標は中井光雄、滝沢正光が達成して以来、史上3人目の宮杯3連覇だ。強烈な捲りは無論の事、勝負所では厳しく捌いて抵抗勢力を吹っ飛ばす。函館GⅢを制して今シリーズに臨む。

 

松浦悠士 (広島 98期 33歳)

悲願のグランプリ制覇を成し遂げた昨年。同時に初の年間賞金王の座も得た。ただ好事魔多し。ウイナーズCの転倒の影響で選手権は不完全燃焼。大舞台で本来の勝負勘の良さとスピードを取り戻す事が果たして出来るのか。

 

清水 裕友 (山口 105期 29歳)

決して安全策を取る事はない。常に走りはアグレッシブ。不利な態勢、多勢に無勢でも総攻撃を開始する。ハートの熱さは現役トップかもしれない。弾丸さながらの捲りでライバルの自力型を一撃で粉砕してしまう。

 

脇本 雄太 (福井 94期 35歳)

ご存じ令和の最強レーサー。その推進力は歴代でも1番。一旦加速がつけば他の選手は置き去り。無人の野を駆け抜けるが、今年は体調との戦い。常にMAXの状態とはいかないが、健康体なら優勝候補の№1として君臨。

 

山口 拳矢 (岐阜 117期 28歳)

乾坤一擲の強襲劇。昨年は選手権を制覇して父の幸二と親子二代のタイトルホルダーとなった。ただその後は転倒の連続。、痛みを耐えながらレースを走り天国と地獄を味わった。ただ選手権で優参と回転力復活の兆しがある。

 

南  修二 (大阪 88期 42歳)

地元大阪が誇るファイター。位置取りに妥協せず、仕事は厳しくこなす走り貫く。それだけに自力型から絶大な信頼を得る。またいざとなれば自力で局面を打開する脚を持つのも頼もしい。心配なのは選手権の転倒の影響だ。

 

寺崎 浩平 (福井 117期 30歳)

大学時代はタイトルを総なめ。競技にも注力したが昨年ナショナルチームからの引退を表明。年頭に古性優作から今年の近畿のキーマンと指名された。強烈な踏み出しで大先輩脇本雄太に代わってラインを牽引する事もありそうだ。

 

浅井 康太 (三重 90期 39歳)

近年は中部陣営に活きの良い先行型が枯渇状態。それだけに大舞台では孤軍奮闘、あるいは近畿の軒下を借りる戦いだが、そんな中でも強烈な回転で一気に先頭に躍り出す走りを披露。能力は低下していない。2月に高知GⅢを制覇。

 

荒井崇博 (長崎 82期 46歳)

住み慣れた佐賀から転籍。今は長崎の荒井だ。混戦になると捌きは危なっかしいが、キメ脚は強烈で、まだ自力勝負に打って出る気概を持つ。絶好調で迎えた全日本選抜で転倒。その後も事故が続いたが、影響は軽度のようだ。

 

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