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広島県所属 師匠:斎藤勝(53期・引退)
卒業記念レースでもピックアップした中原恭恵だが、「養成所で先行して3着までに入れたことが1回もなかったんです…」という言葉が記者の中に残っていた。惜しくも勝ち上がりを逃し、中原自身も初めての一般戦回りとはなってしまったが、最後の最後に先行して交わされてはしまったものの、2着に逃げ粘ったのだ。
レース後に涙を流している姿は印象的だったし、本人も言っていたが「(教官に)2着に入れたな。やったな」と声を掛けてもらい、涙を流しながらうんうんと頷いている姿には離れて様子を見ていた記者の心にグッと刺ささるものがあった。本人もどういうレースをするか葛藤したようだったが、「着を狙いにいくレースはしたくない。先行しに行きます」と決心して走ったレースだった。
前期だけではあったそうだが、滝澤正光所長が自ら教える『T教場』でも走っていた。既にデビューをしている男子選手から「練習内容はかなりキツい」ということは聞いていたが、そこでの経験を話してくれた。
「T教場では最後の4コーナーで一杯でも、そこからもうひと伸び。そこからの力を振り絞れるような練習。普段の練習はナショナルの練習を参考にしているので、少ない本数、短時間でやるけど、T教場では何本もモガいて、泥くさい感じ。T教場で練習出来たのは良かったです」。
最後の最後に、『実は嬉しかったことがあるんです!』と教えてくれたのだが、卒業記念を優勝した仲澤春香から『自力で動くと思っていました』と声を掛けられたことだという。「仲澤さんみたいに強い人から自力で動く選手だと思ってもらえたのが嬉しいんです」と笑顔で教えてくれた。
ガールズは男子のようにラインもないし、階級分けもない。出たてのガールズは苦戦する姿も多く見るが、元々ロードで鍛えられた強地脚を武器にデビューを迎える。