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松戸競輪場のナイター競輪「競輪ルーキーシリーズ2023(FII)」が28日に最終日を迎える。新人男子決勝(12R)に進出する熊崎麻人に話を聞いた。
“5度目の正直”で養成所に合格した苦労人の熊崎。養成所でも1着0回、2着6回、3着4回、着外35回と苦労は続く。
ところがルーキーシリーズ第1戦(宇都宮)で初勝利を飾ると、連勝で決勝へ(4着)。今節も連勝で2場所連続の決勝進出を決めた。
養成所で未勝利ながら、あれよあれよとここまで4勝。養成所を卒業し、熊崎の中で一体何が変わったのか。
熊崎は「充実した練習ができているのが大きい。師匠の山信田学さん、兄弟子たちと練習。森田優弥さんに藤田周磨さん、123期の山口多聞さん、中山拓人さん、近藤圭佑さんがいて鍛えられています」と話す通り、日焼けをした肌が練習量を物語っている。
高校時代に競輪グランプリを観て選手の道を志すも、その道のりは決して平坦なものではなく、5度目の受験で合格。「なかなか受からず…。でも、中途半端で辞めたくなかったし、引くに引けない感じでした。心配をかけたけど、応援し続けてくれた両親のお陰」と感謝の思いを口にする。
幾度も壁に跳ね返され、なおも挑戦し続ける原動力となったもの。そこには仲間の支えもあった。「4年間のアマチュア生活で、師匠をはじめ、本当に大勢の選手にお世話になりました。先輩から『これ飲んで強くなれよ!』とプロテインをいただいたり。何としてでも選手になって、お世話になった先輩たちに“恩返しがしたい”と思って」。こうして選手になった今、その気持ちはより大きくなるばかりだという。
熊崎は今節が本デビュー前、最後の実戦。「ルーキーシリーズでは脚でどうこうじゃなく、着を狙う感じになっている。自力勝負になれば、こんなに上手くいかない。デビュー後はラインで決められる走りをしていきたいし、求められること。しっかり練習してレベルアップを図ります」と先を見据えた。
決勝は宇都宮と同様、同県・荒川達郎のハコ。7月の本デビューに向けても完全優勝で弾みを付けたい。いよいよ始まる競輪人生。熊崎にはいつまでも“雑草魂”を持ち続けてほしいし、その成長の過程を見届けたい。