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前橋競輪場では21日に「e‐SHINBUNカップ(FⅡ)」が最終日を迎える。予選②で通算500勝を達成し、11R・ガールズ決勝に駒を進めた奥井迪に話を聞いた。
前走2日目に499勝目、王手をかけて乗り込んだ前検日。奥井は「いつも節目って、あまり意識はしてこなかったんですけど…。2月に体調を崩したこともあって、最近は1勝する難しさや重みを感じていて。前回(大宮初日)は「流れを見て」なんてコメントを出しましたけど、選手になって初めて言いましたよ~(笑)。今回はもう大丈夫、「自力」で頑張ります」と迷いのないコメント。
また、晴れ晴れとした表情には理由があった。「大宮が終わってファンの方に手紙をいただいたんです。『どんな時も、ずっと応援しています』とあって、嬉しくって。応援してくれる人たちがいる、本当にありがたいことですよね。前橋まで(初日に)応援に来てくれるみたいで、目の前で500勝を達成できたら。なので、明日(初日)決めます!」
良い時も悪い時も、変わらずに応援してくれる“ファンの存在”に勇気づけられたことを明かした。
予選①は2着と達成は持ち越しとなり「『明日も応援に来るぞ~』とお客さんの声援が聞こえてきて。励みになりますね、明日(2日目)こそ期待に応えたい」と気持ちを入れ直した。
予選②の奥井はスタートを決めて初手は前受けから。打鐘で加瀬加奈子-青木美保が飛び出すと、すかさずホームで奥井が叩き返す。ペダルに想いを込めた力強い走りで後続を振り切って、自身の代名詞とも言える『先行逃げ切り』の奥井らしいレースで500勝を決めた。
レース後は「これまでの節目はタイトル獲得もなかったし、ただの“通過点”と思っていたけど、今回は感謝の500勝です。ファンの声援のおかげです。昨年は念願のタイトル(ティアラカップ・名古屋)を獲れたし、今までとは違った特別な節目というか、感じ方も違いますね。1勝の重みを噛みしめて、また一つ一つ頑張っていきたいと思います。まずは501勝目を目指して」と語り、すでに次の1勝へと気持ちを向ける。
最後に、尊敬する人物を聞いてみると「三浦雄一郎さん(プロスキーヤー、登山家)」とアルペンスキー経験がある奥井らしい回答。「高齢でエベレストを登頂していて凄い方。90歳を迎えた今も、目標を持って挑戦し続けている姿に刺激を受けています。私も年齢関係なくチャレンジしていきたい」と言葉に力を込める。
今後についても「大きなレースで結果を残して、地元の立川グランプリに乗れたら」と次なる目標を掲げる奥井は、これからも頂を目指して登り続けていく。