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松戸競輪場の「富士通フロンテック杯 (FⅡ)」は24日に2日目を迎える。A級準決勝10レースを走る内藤久文に話を聞いた。
積極的なスタイルで売り出し中の内藤の走りにはガッツを感じる。初日は赤板から前団を一気に叩いて主導権を握ると、菅野航基に捲られはしたものの2着に逃げ粘った。
内藤といえば、ヤクルトスワローズなどで活躍した元プロ野球選手の「ギャオス内藤(内藤尚行)」を叔父に持つことで知られている。自身も投手としてプロ野球の世界を目指し、大学卒業後は独立リーグ(福井ミラクルエレファンツ)へと進み夢を追った。
やがて人生のターニングポイントともいえる“ある人”との出会いが内藤を競輪界へと導いた。同じ独立リーグ出身で内藤よりも先に競輪選手となった“小森貴大”だ。
「小森さんとはジムが一緒だった。ずっと競輪転向を勧めてくれていたけど、プロ野球選手の夢を諦めずにいた。『もう無理かな』と思ったときに、また競輪の話をしてくれてチャレンジしてみようと。選手になったキッカケは、小森さんの存在が大きいです」と明かす。
ピッチャーからレーサーへ、握るものはボールからハンドルへと変わった。
「野球は小さなボールを扱うだけ、自転車はマシーンを扱うので難しさがありますね」と話したが、その一方で活きるものもある。
「野球で鍛えたフィジカルや気持ちの強さは活かせていると思う。そこは負けたくない。あとは自転車にどう繋げていくか、色々と試しながらやっています。5月でデビュー3年目ですが、一歩一歩ですね。野球でもそうだったけど、自分は器用なタイプではないので」とまだまだ伸びしろたっぷり。
競輪界には他にも独立リーグ出身の選手が在籍し、S級のトップ戦線では小松崎大地や山本伸一らが活躍を見せている。「僕が小森さんに影響を受けたように、競輪へ転向するキッカケを与えたり、誰かの道しるべになったらいいなと思っています。そのためには頑張って活躍するのみ!」と力強く語った。
初優勝(1①➊)を飾った思い入れのある当地で内藤の躍動に期待したい。