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千葉の「TIPSTAR DOME CHIBA」で13日から「PIST6 ChampionShip2022-23」EXTRA STAGEラウンド2 が開催中。1R順位戦Aに出走する金山栄治に話を聞いた。
カツ、カツ、カツ。競輪でもPIST6でも、検車場で取材をしていると聞こえてくる音がある。そして体格のいい競輪選手がいつにもまして“大男”に見えるのだ。
音の正体は『下駄』。一般的な下駄は底部に二本の歯が付いているが、選手たちの足元を見ると歯は一本しかない。いわゆる『一本下駄』だ。このタイプの下駄は競輪選手なら一人一つは持っている必須アイテムらしく、どこの競輪場へ行っても誰かしらが履いている光景に遭遇する。
アップの段階で履く選手やレース後に談笑しながら足踏みする姿もよく見かけるし、下駄を履くタイミングは選手それぞれ。
記者の中で下駄といえば…!とパッと思い浮かぶ選手がいる。金山栄治だ。180センチちかい身長の金山が下駄を履くと2メートル級に感じ、インパクト大だったからだろう。
そんな金山が下駄について素朴な疑問に答えてくれた。
――どんな効果が一本下駄にはあるのでしょう?
自分は身体のバランスを整えるためかな。特にカント(傾斜)がキツイPIST6はGもかかるし、走った後に下駄を履いて身体の重心を元の位置へ戻している。腹筋や背筋に力が入るし、体幹も鍛えられるよね。
――競走へ持っていく必須アイテムなんですね。
毎回、忘れずに必ず持っていく。自分はレースの時でしか使わないけど、練習でも履く人もいるみたい。すり減る底の部分にカバーとかゴムを付ければ、長く使える。その部分だけ交換すればいいからね。半永久的に使えますよ。
――なるほど。ちなみにどこで購入できるんですか?
これは松阪競輪場の売店で買ったヤツ。8,000円だったかな、値段もピンキリ。今の時代はネットでも買えるしね。こだわり? ないない、フレームみたいにブランドやメーカーみたいな物はないからなぁ(笑)。
――今開催は中島詩音選手や比佐宝太、若い選手も履いていますね。
最近は若い子らも履いているよね。目的はそれぞれだけど、競輪選手が下駄を履いて歩くのは昔からずっとだね。
そんな話を聞いている最中も金山は下駄で足踏み。バランスを保つのは簡単なことではないはず。競輪選手のバランス、恐るべし!