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京王閣競輪ナイター2日目 300勝リーチ!坂本貴史が語る「戦法と目標、新山響平の存在、弟子について」

2022/12/13

京王閣競輪場で12日からナイター競輪「後閑信一名輪会杯&報知新聞社杯(FI)」が開催中。2日目S級準決勝(10R)に出走する坂本貴史に話を聞いた。

 

11月に続いて、当地連続優勝を目指す坂本。初日予選は復調ムードの伊藤慶太郎を出させず、正攻法から逃げ切ってラインを上位独占に導く走り。自身通算299勝目の白星を挙げた。

レース後は「突っ張るのは作戦通り。伊藤君の気持ちに負けなければ、ライン3人で決められると思った。2分戦だし、伊藤君はバック本数17本、最近いいレースをしているのも知っていたので、出させるよりは(突っ張って)自分が苦しいレースをした方がいいと思って。ラインのおかげです。今日は今日、300勝は意識せずに一戦一戦しっかり走るだけ」と話す。

 

坂本は今年8月に念願のGⅢ(函館)初優勝を飾った。さらなる飛躍へ、結束力の強い北日本の一員として存在感を示す坂本が描く胸中を語ってくれた。

 

――GⅢを獲って、ラインの重みや感じていることはありますか?

 

坂本貴:函館GⅢの優勝もラインの力ですし、最近は人の後ろに付く機会も増えてきたので、普段から自分の仕事をしっかりとしないといけないな、と感じています。

 

自分が前を走るときにも、ちゃんとラインが活きるレースができているかどうかで『番手を回っていいぞ』と認めてもらえる。捲り追い込みとか、遅めの捲りであったりすれば『自力のときは大した走りじゃないから』という話も出てきてもおかしくはないですし…。だから、先行できるときは先行したい。

 

今はバック本数が減ってきているけど、イン粘りとか粘り基本じゃなくて先行基本の気持ちで戦っています。そういう意識でいけば脚力もつきますし、いいことばかりだと思う。

 

――今後の目標を教えて下さい。

 

坂本貴:もちろん、選手をやっている以上は“GⅠに出たい、GⅠを獲りたい”気持ちはあります。でも、例えば今日の予選で負けてしまえば、その夢は遠のいてしまう。目の前の一戦をまずはしっかり勝てるように、積み重ねですね。だからって“勝ちたい、勝ちたい”だと、レースが小さくなってしまって体も動かなくなる。ベストを尽くしてダメだったら、“まぁ仕方ないな”くらいの気持ちで走っている。毎回、そういった気持ちで走れているわけじゃなくて、勝ちたい気持ちが強くなることもあるし、その辺りの葛藤が難しいところですね。

 

――同県の新山響平が競輪祭を優勝し、刺激になりましたか?

 

坂本貴:嬉しかったし、悔しい気持ちもあった。彼がいるから自分も頑張れているところもある。これからも彼にはグループを引っ張っていってほしいですし、自分を含めて周りの人間には『あいつは特別だ』と思うのではなくて『同じ人間なんだから俺もできる』という気持ちでグループ全体が盛り上がって、相乗効果が生まれてくれたらいいなって。響平には今まで通り頑張ってくれたら、自分が言うことじゃないんですけどね(笑)。響平がいてくれて助かっているな、というのはあります。

 

練習ですか?今開催の直前に冬季移動(伊豆)したので、まだ一緒には。今開催が終わったら、やる予定ではいます。

 

――坂本紘規選手、そして堀航輝選手がデビューして弟子が2人に。心境に変化はありますか?

 

坂本貴:いや、特にはないですかね。以前だったら、自分で自分にプレッシャーをかけて“練習を見てやらないと、何かアドバイスしてやらないと、コイツらのためにこういう練習をやるぞ”と思っていた。今は聞かれたら答える感じ。(弟の)紘規なんかは『眞杉、眞杉』と言っていて宇都宮で練習したりもするので、眞杉君から色々と吸収してくれればいいな、と(笑)。(近くにいた眞杉が「あ、はいっ!」と笑顔)

 

本人のやる気が一番大事なので、頑張って強くなってほしいと思います。もちろん、聞かれたら、こっちも全力で答えますよ。弟子たちには頼れるところは頼ってもらえれば。