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いよいよ12月30日、競輪グランプリが平塚競輪場11Rで行われる。一発勝負、賞金は1億円! 競輪選手ならこの舞台に立ちたいと誰もが思う大一番。G1タイトルを獲得した面々を時系列順に紹介していく。
新進気鋭の⑥太田竜馬が正攻法。後ろに⑨松浦悠士を連れて2車でも逃げる気満々だ! 別線が上昇すれば突っ張る気がヒシヒシと伝わってきており、別線は動くに動けない。結局⑥太田が打鐘過ぎから誘導を切ってブン回す競走! 3番手には①古性優作、5番手には⑤新田祐大、単騎の③平原康多や④深谷知広は後方に置かれて万事休す。⑤新田が最終バックから踏み上げるとそれに合わせて⑨松浦が番手からスパート。ただ最終4角で内を空けてしまい、その一瞬の空いた隙を突いた①古性が突っ込み嬉しいV。
「一番最初にGP(出場)を決められて良かったです。去年のオールスターはオールスターで喉から手が出るほど欲しいタイトルが初めて獲れましたし、グランプリを自力で獲って自分が思ってる以上にオッズが変わった気がします。自分の脚力は変わっていないのにお客さんの期待度が上がっていますね。それを力に変えてしっかりしたレースが出来てるのかなと思います。レース内容には全く満足してないですし良かったのは結果だけ。レース内容も結果も最高と言えるようにタテ脚を磨いていきたい」。
気っぷの良い逃げを打つ⑤真杉匠が正攻法。別線の上昇はなかったが、後ろには②平原康多だ。当然打鐘から誘導を切って一気にハイペースへ。それでも最終2角で5番手から③清水裕友が捲り上げ、7番手から⑧脇本雄太も捲る。②平原は2人を引きつけてからの最終3角番手捲り! ただ⑧脇本の快速捲りはスピードが違った。その上を軽く捲り、後続のもつれもあって難なく先頭でゴール線を突き抜けた!
「決勝だからと言って変化を付けず、いつも通りのレースをしようと思っていた。平原さんを乗り越えてからは記憶がなくなるくらい力を出し切った。ハンドルを投げてからは一秒くらい『あれ?優勝したの』ってなりました。そのくらい自分の力を出し切れた。今年は出られるG1が限られている中で、G1を獲ってGPに出るという最低限の目標は達成できた」。
⑦山田庸平の上昇を突っ張った正攻法の⑨郡司浩平。ただ打鐘からカマしてきた⑥小松崎大地には行かれてしまい、苦し紛れに飛び付くが⑥小松崎の番手は名マーカーの③佐藤慎太郎。当然外競りでも③佐藤が制するが⑥小松崎をガードする脚はもう残っておらず…。単騎の①古性優作が最終バックから捲って先頭でゴール線を駆け抜けて今年二度目のG1制覇。悲願の地元G1を奪取した。
「初手の位置は思っていた所と違っていたけど、流れに身を任せて行こうと。行くしかないと思って仕掛けたし、無理矢理行きました。ゴールした瞬間は後ろから迫られたけど、振り切れたと。今回はラインのお陰で勝ち上がれた。脚見せで声援が凄くてジーンと来ました。脇本さん不在の中、結果を残せて良かった」。
正攻法の⑥寺崎浩平が⑨脇本雄太-①古性優作を引き連れて突っ張る気満々。東北4人の先頭を任された⑧新山響平も当然赤板から逃げる気十分だ。この両者が踏み合う隙に②松浦悠士が内を潜って⑨脇本の横に。⑨脇本は無理せずに車を下げて、突っ張られた⑧新山も無理をせずに⑥寺崎-②松浦の後ろに入って東北勢が3番手~6番手に。それでもスピードが違った⑨脇本! 最終二角から番手捲りを放った②松浦を最後は7番手からきっちり捉えて見事な完全優勝。
「僕から人気になっていてプレッシャーが大きかった。寺崎君の後輪に集中していたが、松浦君に来られたのは技量不足。守沢さんに当たられて下げて、優勝を取るために気持ちを切り替えて仕掛けた。届いたかどうかは半信半疑。ゴールして半周してから1着を確認出来た」。
⑨新田祐大が切るとすかさず①古性優作が押さえて、腹を括って最終主導権。一旦は3番手の位置に入った⑨新田だったが⑦吉田拓矢の追い上げに遭い車を下げ、⑤松浦悠士の追い上げにも遭って内に詰まって絶体絶命のピンチ。①古性が上手く逃げ、番手の⑧稲川翔が内外すべてブロック。それで内に詰まっていた⑨新田が急浮上! 空いた内をするすると伸び、最終4角で逃げていた①古性も疲れからか外に振ってしまい、その内をズバッと! 終始内を突いた⑨新田が寛仁親王牌を制して、グランドスラマーの仲間入り。
「車間を切ってタイミングを計っていたら、見えないところで吉田君が来て詰まってしまい…。そのあとも1周ずっと内に詰まって、最終バックもすごいことになってしまったんですが、最後はイチかバチか何も考えず踏み込みました。守沢君のスピードがよかったので、差されてしまったかな、グランドスラムは簡単じゃないなと感じていたんですが、ゴールしてから1着だ1着だと言われてそうなのかと。(ゴール後は失格審議になり)去年のイメージを払拭できなくて、また結果出なかった、来年かという感じでした。(決定放送が出た時は)どちらかというと当事者というより第三者的な目線でしたね。観客的な感覚でゾワッとしたっていうか、鳥肌が立ちました。(年末のグランプリについては)ぶっちゃけ、ちょっと想像していませんでした。ダービーで怪我をしたので、12月に手術する予定でいたんですが、それを早めるか遅くするか、これからスケジュール調整します」。
東北ラインは寛仁親王牌を制した③新田祐大が前回り。番手に④新山響平と、④新山を勝たす布陣か! それを察知した⑧坂井洋が③新田の打鐘カマシを突っ張り、それでも③新田が緩めずに叩き切ると⑧坂井は戦法を「先行」→「追い込み」に換えて④新山のところに飛び付いた。ただ脚を使い切ってからの飛び付きだったし、④新山もこの位置を守るよりも③新田が逃げてくれた事に感謝して、シビアに最終二角から番手捲りを発動! ダッシュ良い④新山が一気に踏み込めば別線は追えないし、続いた⑨守沢太志も離れていく一方。そのまま後続を千切って④新山が嬉しいG1初戴冠!
「この優勝はラインのおかげ。新田さん、守沢さん、成田さんに感謝の気持ちで頭が上がらない。本当なら自分が前なのに、本気で獲ることを考えたら新田さんの後ろが一番優勝の確率が高いと思って、自分の気持ちを伝えて番手を回らせてもらった。位置取りから何から本当におんぶに抱っこで僕は番手から出ただけ。新田さんの頑張りを無駄にしないのが、僕の最低限やるべきことだった。後ろのことは全然分からなかったので、ゴールまで下を向いてひたすら踏んでいました。(優勝が分かって)ガッツポーズはしようと決めていた。始まる前から声援が凄くて、背中を押されました。小倉は相性が良いですね。6年前のこの大会で新田さんに迷惑を掛けたのに、今回はお世話になった。恩返しできるように次からは頑張って行きたい」。