特別インタビュー

【平塚競輪 KEIRIN GRAND PRIX2025】嘉永泰斗(熊本113期)SPECIAL INTERVIEW

2025/12/23

 KEIRINグランプリ2025でグランプリ初出走の嘉永泰斗選手(熊本113期)に特別インタビュー! GⅠ初優勝の寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントやここまでの振り返りなど、大一番を直前に控えた思い・意気込みを聞いてきた。(取材日12月20日)

――グランプリ初出場ということで共同記者会見も初めてですがどうでしたか?

 レースより緊張しました(笑)。共同記者会見はあんな大勢の前で話すことがないですし、言葉も選ばないといけないし変なこと言えないなって(笑)。あとは共同記者会見が終わってからの個別取材が大変でしたね。やっぱり喋るのが苦手ですしドンドン色んな方が入れ替わってだったので。

 

――個別取材は取材する側も受ける側も忙しくて大変ですね。そのあとの前夜祭はどうでしたか?

 凄い人でしたね。(※お客様500人、関係者300人) でも楽しかったです。普段味わえない雰囲気でした。

 

――ご家族が来られる選手も多いですが嘉永選手は?

 前夜祭は来てないです。グランプリ当日は平塚に観に来てくれる予定ですね。

 

初めてのグランプリは8番車に

――共同記者会見で車番発表されました。その直前に知らされたと思いますが8番車と知ったときはどうでしたか?

 まあ・・・妥当かなって感じでした。GⅠは優勝してるけどグランプリに何回も出ている人が良い枠貰えるかなと思っていたので4.6.8のどれかかなって。欲を言えば4番車が良かったです(笑)。

 

――共同記者会見で5人コメントが無く並びが全て決まりませんでした。迎えるまでに考えることもあったと思いますが会見を終えてみてどうでしょう。

 出るのかなと思ってたけど近畿勢はどうなんですかね。まとまるのかなとは考えてたんですけど、あとは阿部拓真さん(宮城107期)がどうするかですよね。

 

――実際言える範囲でですが嘉永さん的にはどうなって欲しいとかやり易いかもなどありますか?

 んー。でもやり易いのはやっぱりラインが出来る方が単騎のうま味は出ると思うので。流れがない単調なレースになるのは嫌ですね。

 

嘉永選手の自宅ジム

――競輪祭終わってからここまでは順調ですか?

 競輪祭終わってからは体調崩してしまったので動き出したのは12月入ってからですけど割と計画的にというかいつも通り練習出来ています。今は競輪場が来年のGⅠに向けて改修中で使えないので街道や自宅でやってます。

 

――何か特別なことをやったり、やる予定はありますか?あとは一発勝負に向けての調整に関してはどうでしょう。

 ここまでもこのあとも特にないのでいつも通り練習して向かうって感じです。でも1走に向けてっていうのは難しいですね(笑)。競輪場入るのもレース2日前の28日ですし、どのくらいやって疲労を抜いていくかも考えてますが今のところは直前まで追い込んで競輪場入ってから抜いてって感じですかね。

 

――九州で直近グランプリ走っているのは同県の中川誠一郎選手(熊本85期)ですが何かアドバイス聞いたり貰ったりしてないんですか?(笑)

 今はバンクで練習出来ないのでなかなか会う機会がないんですけど、先日取材で一緒だったときにはレースのことに対しては無かったのでアドバイスというアドバイスは...(笑)。ただとにかく楽しんで!とは言われたので楽しみたいと思います。

 

――中川選手もわざわざ何か言ってくるタイプではないですもんね(笑)。では今のところは順調に行ってる感じですかね?

 割とそうだとは思うんですけど忙しいなって感じですね。有難いことに色んな取材を受けることが多くなってきたので。

2024年9月共同通信社競輪GⅡでグランプリ2度出場の中川誠一郎選手との1枚

 

――グランプリは凄いお客さんの中で走ることになりますが今までグランプリシリーズは入ったことありますか?

 2年前の立川で決勝を走っているので雰囲気はなんとなく覚えてます。

 

――前座でもGⅠより入ってると思いますがどうですか?

 またちょっと違いましたね。なんか異様というか熱気というか。決勝は1つ前のレースですけどそのときは周回中に口がカラカラになっていく感じがあったので、いざグランプリってなるとどうなるか分からないですね。

 

――2018年デビューの8年目でGⅠタイトルを獲得してグランプリを走ることになりますがここまでは早かったですか遅かったですか?

 どうなんですかね。でも周りには早いって言われます(笑)。

 

――調べると4年目の松阪ウィナーズカップで初GⅡ、5年目の取手全日本選抜競輪で初GⅠなのでGⅠを走り始めてからは4年目でのタイトルになります。

 そう考えると早いですね。でも同期の眞杉匠(栃木113期)はもっと早いだろうし、GⅠ決勝に乗っている同期はたくさん居たので。

 

――GⅠデビュー戦の取手全日本選抜競輪では連勝でいきなり準決勝まで行きましたがそのときの心境はどうでした?

 そのときは出たてで完全にノーマークって感じでした(笑)。でもそれがあったんで自信がちょっと付いてもっと練習やるようになって、そのあとも準決勝は何回か行けてたんでやってきたことは間違ってないかなって思いました。

GⅠデビュー戦では4番手取り切ってからの捲りで1着。

 

――ただ決勝に乗れたのは寛仁親王牌が初めてと。その辺りの壁みたいなものはありましたか?

 GⅡは何回か決勝に乗れたんですけどGⅠは遠かったですね。準決勝すら遠のいたときも一時期あったんでその時は結構キツかったですね。

 

――初めて乗った決勝で優勝した訳ですがレースを振り返ってもらうとどうでしたか?

 四国勢が前だったので犬伏湧也さん(徳島119期)が突っ張るのかなと思ったんですけど吉田拓矢さん(茨城107期)が動いたのでそれに付いていってからって感じでした。

 

――そしたらそのまま出切れて吉田選手が逃げる形になったと。道中いけそうだなって雰囲気はありましたか?

 後ろもみんな強かったけど被らなければいけそうだなと思いました。犬伏さんがカマして来てたら詰まっててダメだったかもしれませんが。

 

――最後の直線からゴールまでは?今までで1番長かったとかそういうのを良く聞きます。

 意外といつも通りでしたね。優勝したのもすぐに分かりましたし。

寛仁親王牌決勝優勝のゴール写真

 

――GⅠ優勝が1番と思いますが、今年振り返って良かったレースはありますか?

 競輪祭最終日ですね。単騎で深谷知広さん(静岡96期)とゴール勝負でしたが良い感じでした。

 

――他にはありますか?

 前半戦は全くないですね。ただ8月のオールスター辺りから良くなっている感覚があったので荒井崇博さん(長崎82期)と一緒だった準々決勝Aとかは良いときの自分のレースでした。あとは北津留翼さん(福岡90期)と一緒だった二次予選Aもですかね。抜かれてるけど良い時のカマシが出来ていたなと。

 

――荒井さんとの連係は今年多かった印象がありますが一緒のときはなにかあったりしますか?

 勝てるようにって感じで特にないですね。また来年も多くなると思うので。でも強いっすね(笑)。どこから踏んでも抜かれるなって感じです。

 

――先程眞杉選手の名前が出てきましたが113期は今上位戦線で戦っている選手が多い印象があります。嘉永選手から同期の存在はどう見えてますか?

 いやー、みんな強いです(笑)。自分も自力ではやっているけど、眞杉、森田優弥(113期)、松井宏佑さん(神奈川113期)、小林泰正さん(群馬113期)みたいに長い距離踏めるタイプではないので。でも負けてられないですね。

 

――開催中見ていると113期は結構仲良くやっている場面を見ることが多いんですけど嘉永さんはあんまり見かけないですよね。

 元々自分はキャッキャッとやるタイプじゃないんで(笑)。全然仲良いですし話すときは話しますけど自分は淡々とやるって感じです。まあみんな楽しそうにはやってますね(笑)。でも福永大智(大阪113期)とは競輪じゃない話を結構しますよ。

いつも楽しそうな同期の眞杉匠選手と小林泰正選手

 

――競輪や自転車の話はこの人とするみたい選手は居ますか?

 基本的には自分でやってって感じではあるんですけど、中本匠栄さん(熊本97期)には自転車に乗ってもらってアドバイス聞いて微調整してってことはあります。

 

――選手の話を聞いていると開催中に他地区の選手に聞いてっていうのも良く聞きますがそういったことは?

 ちょっと前だと吉本哲郎さん(広島84期)が似ている感じだったんで結構聞いてたんですけど最近は中々会う機会が少ないので。あとは基本的に開催中に触るのが好きじゃないですね。眞杉とか結構触ってるんですけどあれは凄いなって思ってて、自分はしっかり煮詰めてから行ってるのもあって崩れるのが怖いってのがあります。

 

――グランプリは九州から1人ですが開催には同県の選手が必ず居るのでその辺りは心強いですかね?先程名前が出た中本選手も居ますし。

 中本さんもそうですし、同期の曽我圭佑さん(熊本113期)と一緒に練習している兄弟子の兼本将太さん(熊本117期)も居るので気心知れた人たちばかりで良かったです。

 

――熊本といえば去年2024年に競輪場が復興しました。何回か走ってますが出来る前までと今とではまた違う感情があると思いますがどうですか?

 今までは代替で熊本記念走ってたんですけどそれでも結構気持ち入ってたんで。いざ本当の地元記念ってなったときは全然違いましたね。

 

――そんな中で来年2月には地元で全日本選抜競輪が行われます。しかも赤パンで。

 最高の形で迎えられるなって思います。来年一発目のGⅠですし1年のピークをそこに持ってきて本当に優勝したいです。

2024年10月の熊本記念では中川誠一郎選手と共に決勝戦を走った

 

――九州勢はGⅠの決勝に乗ることがあっても1人だったりすることが多いです。ラインを組める方が優勝する確率も上がると思いますがその辺りはどうでしょう?

 自分が言える立場でもないんですが九州はバラバラではないけどもうちょっと一体感が欲しいですかね・・・。

 

――そこをS班になった嘉永さんに九州勢を応援する人は期待するところかなと思います。

 いや~、特別戦線は先輩が多いんで・・・(笑)。後輩がいっぱい居たらっては思いますけど、ただ言い易い立場にはなってきますもんね。でも先輩の方がレースのことは言い易い気もします。荒井さんとかも分かってくれるので。そうやっていくことで一体感が出れば良いので頭に入れておきたいんですけど、あんまり得意ではないのでまずは走りで見せていきたいです。

 

――走りでっていうと2024年1月のいわき平記念のことを思い出します。競輪祭の二次予選Bでは伊藤旭選手(熊本117期)の後ろを回っていました。

 でも2年くらい経ってますし、頑張ると言ってくれたので後ろ回ってみてって感じです。元々強いのは知っているんで心配はしてないですし、レースのことは終わってから話したのでまたですね。あとは別に勝てるように走ってくれれば良いし、先行して欲しいとかそういうのは自分は無いので。

 

――後輩といえばですが嘉永さんが期待している熊本の後輩は居ますか?

 半田誠(熊本123期)です。今年7月の小松島記念で初めて一緒になってそこから一緒に練習やってます。まだ結果は付いてきてないですけど可愛い奴ですね(笑)。みんなに愛されてますし早く上がってきて一緒に走りたいです。

可愛がっている同県の後輩・半田誠選手

 

――九州勢だとそういう後輩は居ますか?

 後藤大輝(福岡121期)ですかね。逃げたら上位でも戦えるくらい強いですし面白いです。お互いに勝ち上がっていって上のレースで九州を引っ張っていければいいなと思います。

 

――九州勢の底上げは嘉永さんに期待しています(笑)。そういった意味で現状の他地区を見てどう思いますか?

 やっぱり近畿勢は強いですよね。でも関東勢の層が厚いなと思ってます。同期も多いですが若くて強い自力がたくさん居ますし、タテが強い+なんでも出来る選手が多いイメージです。数には勝てないですね(笑)。

 

――九州や熊本も若くて良い選手がたくさん居ますよ。

 全体的にもう一皮って感じですね。割とみんな自分のレースをって感じですけど、自分もそうだったので。

後藤大輝選手と伊藤旭選手は同級生

 

――競輪以外の話も伺いたいんですが、先程ご家族もグランプリは見に来てくれると。

 そうです。子供はまだ小さいので覚えられるくらい先まで何回もグランプリを走りたいですね。

 

――競輪と家庭で忙しい毎日だと思いますが趣味などはありますか?

 いやー、ないですね(笑)。忙しすぎて。それこそ麻雀も5月(競輪選手と麻雀プロの交流大会)にやって以来やってないですし、ゴルフも2年くらいやってないです。いずれは麻雀卓も欲しいけど子供が大きくなるまではって感じですし今は良い機会かもしれないですね。趣味はいつでもというか年取ってからでも出来るので。でも眞杉は楽しそうにしてますね(笑)。

左から日本プロ麻雀協会でMリーガーの松本吉弘プロ、脇本雄太選手、嘉永選手、日本プロ麻雀連盟の中野妙子プロ

 

――大体聞きたいことは聞けたのですがもう少し競輪の話を。GⅠ優勝してから四日市記念、競輪祭と走ってますが周りから見る目や気持ちの面は変わりましたか?

 多少は感じてるんですけど四日市記念に関しては平常心じゃなかったですね。ずっとソワソワする感じがあったのでまあ結果もああいう風になってしまいますよね。

 

――四日市記念は二次予選敗退でヤバイってなりましたか?(笑)。やっぱりオッズにも反映していますがそういうのは見るタイプですか?

 やべーっしょ(笑)。本当に情けないって感じでした。あんまり元々見ないようにはしてますが今はどこでも視界に入ってしまいますね。

 

――走る前も走った後も色んな意味で声援がありそうでした。

 入る前はたくさん声かけてもらって嬉しかったですね。二次予選のあとは早く引き上げたかったです(笑)。

 

――そういう意味では来年1年間は今までよりしっかりと戦わないとって感じですね。

 タイトル獲って見えた部分でもありますし、GⅠにピークを持って行って、その他でも結果を残さないといけないのでそういった調整が上手く出来るようになれればって感じですね。

 

初出場は8番車嘉永選手の他に6番車阿部拓真選手、4番車南修二選手、2番車寺崎浩平選手の4名。

――グランプリも4人初出場と顔ぶれも一気に変わりました。

 変わったけど意外性あるのは自分と阿部さんですよね(笑)。寺崎浩平さん(福井117期)もいつ獲ってもおかしくなかったし、南修二さん(大阪88期)も何回もGⅠ決勝に乗ってたので。でも若返りも進んでますし、自分もこの波に乗って長く活躍していければと思います。

 

――では最後に意気込みを。まずは年末のグランプリから。

 一発勝負なので1着だけを狙っていきます。

 

――そういえば優勝したら賞金はどうしますか?あと持って帰るかどうかも。

 買いたい物がないこともないんですが現実そうなったら税金が怖いですね(笑)。実際みんなそう言いますし理想は車とか欲しいですけど。賞金は寛仁親王牌のときは時間もなかったので持って帰りましたが、それより1億多いので怖いし振り込むと思います(笑)。

 

――そして来年についてもお願いします。

 来年は調整方法を考えて波を少なく出来るようにしたいですね。あとは地元GⅠに1年のピークを持っていきたいのでそこを乗り切って後半に向かって行ければと思います。

前夜祭翌日熊本に帰る前に取材(朝6時半でも爽やか・・・)

 

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