グレードレース

【前橋競輪 第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントGⅠ】競輪放浪記《第28回》プロ雀士・滝沢和典(アオケイ紙面掲載コラム)

2025/10/23

 麻雀界の恩師の一人である、前原雄大さんが旅立たれました。奇しくも、この原稿を書き進める中で、KISSのエース・フレーリーやリンプ・ビズキットのサムといった、他分野のレジェンドバンドの訃報も重なり、人生の儚さを痛感しています。

 前原さんが大切にされていた「如水(じょすい)」という言葉があります。これは、豊臣秀吉の天下統一を支えた稀代の軍師、黒田官兵衛(くろだかんべえ)が隠居後に名乗った号です。
 「水の如し」を意味するこの言葉には様々な解釈がありますが、一つには「人から何を褒められようと貶されようと、心は常に水のように澄んでいる」という生き方を示唆しています。また、水がいかようにも形を変えるように、状況に応じて柔軟に対応しながらも、本質を変えない強さを表すとも言われています。

 麻雀でもそうですが逆転不可能で絶望的な状況に直面すると、つい投げやりな気持ちになりがちになり、逆に勝ちが決定的になった時などは心が緩んでしまいます。そんな時にこそ「如水」の境地で、目の前のことに淡々と向き合う強さが求められると私は考えます。

 競輪の世界では勝ち上がりを失敗した、いわゆる「負け戦」をいつもと変わらず冷静に、しかし全力で走りきる選手からはその精神を感じます。特に、上位クラスの選手で大きなレースを控えている場合に、変わらぬパフォーマンスを発揮できる選手は、本当に強い人間だと感じます。怪我のリスクも伴うのに、自分に期待して車券を購入したお客様のために走ることはもっと賞賛されるべきでしょう。予想が外れても外れても、競輪が面白いと感じるのは、勝負の駆け引きはもちろんのこと、そうした選手のプロフェッショナリズム、「如水」の精神を見るからに他なりません。

 前原さんが教えてくれたこの言葉はこの先も、私の人生や勝負事における指針として、深く響き続けていくことでしょう。




〈左:滝沢和典〉

滝沢 和典 プロフィール

競技麻雀のプロ雀士。

日本プロ麻雀連盟所属。

MリーグではKONAMI麻雀格闘倶楽部に所属。

愛称はタッキー。

キャッチフレーズは「越後の奇跡」、「麻雀バガボンド」

生年月日: 1979年12月6日 (年齢 45歳)

血液型:B型

出生地: 新潟県長岡市

※過去のコラムはこちらから

 

前橋けいりんガイド

前橋けいりんの施設のご案内は、下記画像をクリックしてご覧ください

お得なキャンペーン開催中

前橋競輪 第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントGⅠ 開催期間中はお得なキャンペーンを開催しています。
今すぐチェックしよう!

Twitterキャンペーン

この記事を書いた人
編集部

新着コラム

コラム一覧