アオケイ・小田競・中部競輪・競輪研究4紙合同の競輪サイト
大宮競輪場では29日に「日刊スポーツ新聞社杯(FI)」が開催2日目を迎える。S級準決勝12Rに出場する神山雄一郎に話を聞いた。
初日の神山は松坂侑亮の番手。松坂が先行すると、中団からで石井洋輝-川津悠揮がバック捲り。これを神山は外に振って川津をどかすと直線で抜け出し、石井をとらえて1着。
通算勝利数900勝まで残り3勝。年内の偉業達成が期待されるが「今日(初日)に勝った時点で今開催はなかなか難しいよ(苦笑)。今年は今開催を含めて3場所(次走は小倉FⅠ、広島記念GⅢ)。1勝ぐらいはしたかったから今日は勝てて良かったです」と安堵の表情を浮かべる。
「簡単には1勝できないから、本当に。今年は1着を取ったほうですよ。10勝ぐらいはしたかな?いやぁ、キツかった…」と今年11勝目となる勝利を噛み締めた。(昨年は7勝)
クールダウンを終えて、自転車を丁寧に整備する神山に改めて話を聞いてみた。
――1勝の重み、難しさを感じていますか?
そうですね、改めて感じている。勝てるときはこうやって勝てるけど、本当に大変なので…。一生懸命やっていても10回20回に1回、やっと1着が取れるかどうかですからね。
――追い込み、マーク屋は自力選手次第で展開が変わってきますよね。
前の選手が1着に届かないっていうのも結構あるからね。でも、前の選手を任せるというのは自分が選択したことなので。その位置から自分の役割を果たして最高の着を目指すだけ。バック7番手になっても、4着でもいいから1つでも良い着を取ろうと一生懸命やっています。
――1着スタート、状態の良さや感触の良さは感じますか?
感じは良いのかも。前回の小田原から新車を使っている。これだけ長く選手をやっていると、どうしたら良くなるかっていう自転車自体のことも分かってくるじゃないですか。なので、多分間違いはないと思って自転車をどんどん作り替えてきた。ここにきて、なんとなく大体答えが出たかな、と。思い通りの自転車が何台か作れた。やっぱりそうか、やっぱりそうか、というのを続けてきて理想に近いカタチになってきたかな。
――神山さんをはじめ、選手は年間にどのくらいフレームを作っているのでしょうか?
作る人は何台も作っている。新車が合わなくてダメだったら、すぐに乗るのを辞めちゃう人もいますね。僕はそこまでの感じではないから、乗りながら次のモノを考えている。落車があれば仕方ないけど、僕は年間に3台くらいかな。
(埼玉支部長・白岩大助が現れて挨拶を交わす)
白岩君の奥さんが俺のファンだって言うんだよ。お母さんじゃなくて良かった(笑)。最近は「お母さんがファンなんです」っていっぱい言われるんだ。お母さんかぁ〜と思って(笑)。
――嬉しいことですね。やっぱり、老若男女問わず神山雄一郎ファンは多いですよ。
競輪場のお掃除をしてくれている方や食堂の方にも、僕のファンだと言ってくれる人が多い。その方たちは僕がデビューしたときから競輪場で働いているわけですよ。みんなで一緒に30年間、年を取ってきたんです(笑)。いまだに応援してくれているので、本当にありがたい。
来期はS級1班に復帰する神山。取材の中ではグレードレースでの戦いを見据えた話もあったが、900勝達成はもちろん、トップ戦線でも熱い走りで見る者を魅了する神山雄一郎の姿を見たい。