グレードレース

KEIRINグランプリ2024出場選手・特徴を徹底解説!

2024/12/27

トリマクリ!だからできる専門紙記者によるグランプリメンバー徹底解説! 選手を知る者こそ車券を獲る!!

賞金ランキング1位 1番車 古性優作 選手

アクロバティックな動きがデキる自転車競技BMX出身。競輪学校へは適性試験(自転車経験のない人や他のスポーツからの転向者を対象に身体能力を評価する試験 ※BMXは他スポーツに分類)を経て100期生として入校。すでにグランプリ制覇も含めタイトルは9冠を誇り、本人も「ダブルグランドスラム(注1を目指しているので」と公言するが、史上初の達成者になるのも夢ではない。グランプリは初出場の2021年に今年の開催地静岡競輪場で初戴冠を果たし、4年連続4回目の選出。好相性の地、静岡グランプリ連覇に挑む。

(注1)グランドスラムとは年間6回開催されるGⅠの特別競輪(全日本選抜競輪・日本選手権競輪・高松宮記念競輪・オールスター競輪・寛仁親王牌・競輪祭)をすべて制覇することを言います。ダブルグランドスラムとは全冠制覇を2回ということになります。

主な2024年の実績

G1は競輪祭を除き6開催中5開催で決勝進出の安定感。内、オールスター競輪・寛仁親王牌の2冠を達成。GⅡもウィナーズカップ準V・サマーナイトフェスティバル4着・共同通信社杯準Vの3開催すべて優参。記念競輪GⅢは和歌山記念・富山記念・函館記念・松山記念を制覇。積み上げた賞金は¥243,062,596円。今年のKEIRINグランプリの優勝賞金額は¥133,000,000円ですから、勝てば競輪賞金王はもちろんのこと、年間獲得賞金額記録(注2も塗り替えることになります。

(注2)現在の年間獲得賞金額の記録は2022年脇本雄太選手が賞金王になった時の¥305,842,300円です。

 得意戦法

 前で戦うなら巧みな位置取りから戦況や対戦相手に応じて的確な戦法選択。適正距離でペースが緩めばカマシ先行、前団がスタミナを使い消耗戦の様相なら捲り、位置取りで脚を使う展開なら直線まで脚をためて差し勝負。今回のグランプリでは脇本雄太選手を目標に戦うが、人の後ろで戦うなら道中は目標選手をヨコの動きで援護してタテの脚を発揮。すべての面でハイレベルな輪界ナンバーワンのオールラウンダー。

 特徴を徹底解説

 最も特徴的なのはバランス感覚だろう。前の選手が落車した時には、ありえないハンドルさばきで落車を回避。さらには避けきれないと判断したのだろう倒れた自転車の車輪の上を通過して立て直したレースには度肝を抜かれた。極めつけはゴール前のアクシデントにより、前輪がロック。後輪が浮き上がる逆ウィリー(注3の状態を何とか凌いだシーンを見た時は、自転車乗りの天才だと本当に驚いた。この才能にタテのスピードと加速力が加わったのだから、前記の成績もうなずける。

(注3)オートバイや自転車などで前輪を地面から浮かせて走行する技術。障害物を避けたりするために一瞬だけ前輪を持ち上げるのはノーズリフトと呼ばれ、ウィリーとは呼ばない。

 

 


賞金ランキング3位 2番車 平原康多選手

  第78回日本選手権競輪G1を制して、関東の総大将がグランプリの大舞台に戻ってきた!日本選手権では何度も前を任せて来た吉田拓矢(茨城107期)の仕掛けに乗り、直線抜け出しダービー(注1)初優勝。さわやかスマイルが平原の印象だが、時には厳しい叱咤もあり吉田拓矢らに平原イズムは継承されている。日本選手権を勝った時と同じ2番車を手に入れ、グランプリ14回目の出場にして初の栄光に輝けるか。

 (注1)日本選手権競輪GⅠは通称ダービーと言われている。

 

2024年の実績

 第78回日本選手権競輪を初優勝。G3以上のタイトルは1つだったが、それ以外の今年の成績は勝利数16勝で勝率21%、2連対率41%、3連対率は57%。21場所を走って決勝進出の数は11回。高松宮記念、寛仁親王牌、競輪祭のG1では落車する厳しい一年を乗り越えてのグランプリ挑戦。グランプリで背負う2番車はダービーを制覇したゲンのいい車番なので、最高のイメージで戦えるはず。

 

得意戦法

 長年、自力自在戦で戦ってきたが、近年は追い込み主体の差し、捲りの印象。自力があった時でもマークに回れば番手捲りは最終手段、ギリギリまで目標選手を大事に援護するタイプ。トリッキーな動きも見せる眞杉匠にまずはしっかり追走。静岡バンクはホームの向かい風で前団のスピードが鈍ることもあり、直線突き抜ければ念願のグランプリ初制覇。

 

徹底解説

 今年のG1では落車が多く厳しい一年でもあったが、今までも不死鳥の如く最高のパフォーマンスとモチベーションを持って復活してきた。他地区の選手からも尊敬されているように、平原には平原なりの競輪道と世界観があるように思える。今までグランプリのタイトルとは無縁で獲っていないのが競輪界の七不思議にもなっている。レースセンスが問われる一発勝負でどこまで状態を上げてくるか。ベテランの域に達したニュー平原に期待しつつ声援を送りたい!

賞金ランキング4位 3番車  郡司浩平選手

現在神奈川で最も強いのは郡司浩平と言っていいだろう。デビュー当初は先行、捲りを基本に、とてもリズミカルなペダリングで勝ち星を重ね、アッと言う間にファンの間では話題となる選手に。S級に昇級後は変幻自在なスタイルとめったな事では後手を踏まないレースセンスで一気に頂点に駆け上がり、今ではファンからも大きな支持を受けている。

 

2024年の実績

2024年は何と言っても2月の岐阜全日本選抜競輪での優勝。北井佑季の動きに乗って、捲る清水裕友を僅差で振り切ったレースが印象に残る。優勝を量産というわけではないが、1月の川崎、8月の小田原と地元G3と取るべき開催はしっかり取っているのでチャンスはしっかりモノにしている。ただ一つ残念なのは9月の共同通信社杯で深谷知広を連れて先行しながら彼を表彰台に上げられなかったこと。ただ力があるだけでは思い通りにいかない競輪の難しさを改めて感じさせた一戦と言えるだろう。

 

得意戦法

得意な戦法はもちろん自分が持つ位置からの自力勝負なのだが、その時どきのメンバーに合わせたレースができるところだろう。自在とコメントをする選手が多いが、本当に自在に何でもこなすテクニックを持つ選手は少ない。先行、捲り、そして必要となればヨコの選手をドカしての好位さばきと多くのテクニックを駆使して勝利を目指す。

 

特徴を徹底解説

彼の大きな特徴は何と言ってもそのレースセンスの素晴らしさ。取りたい時に取りたい位置、仕掛けたい時にキッチリ動ける一歩先を見据えた走りができることだろう。もちろんラインの絆も人一倍大切にし、時には犠牲的とも見える走りをする男気も持ち合わせ、仲間たちからも絶大な信頼を得ている。

 

賞金ランキング6! 4番車 眞杉匠選手

 2年連続2回目のグランプリ出場。今や関東の若手のリーダー格と言っても過言ではなく、走り方、考え方まで革新した印象があり、地区を超え新しい競輪の世界観をもたらす選手。今年はG1のタイトルを獲れなかったが、初出場の昨年よりも更に成長をしている。レースの中での閃きを大切に走るタイプで、状況に応じて何でもできるだけに終始目が離せない。

 

2024年の実績

 サマーナイトフェスティバル(GⅡ)・共同通信社杯(GⅡ) ともに初めてのGⅡタイトルの栄冠に輝いた。特筆すべきは地元開催の共同通信社杯で連日プレッシャーがかかる中、優勝をして期待に応えたのは今でも記憶に残る。一年間の成績は29勝で勝率358%、二着15回の二連対率543%、三着は6回で三連対率617%と三回に一回は一着を取り、二連対率は半分を上回っている。ほぼグレードレースを走っていると考えれば、グランプリでもデータは生きてきそうだ。

 

得意戦法

 この人の良さはバランス感覚でもあり、「リスクを背負ってでもタテ、ヨコで勝負」ができるのが長所。長い距離を先行しても良いし、引けなければヨコで勝負して位置をさばいて抜け出せる。ヨコでは輪界トップと言われる古性優作に若干分があるが、持久力の面では負けない。どのレースでも「この人の動き」が鍵を握る。動向には注意が必要で、最後まで諦めない競走は狙っているファンにとってはたまらない選手。

 

徹底解説

 昨年のオールスター、競輪祭の2冠達成の年に比べれば、やや物足りなさは正直感じるが、地元のGⅡを優勝するなど精神面のタフさに磨きをかけた点ではさらに飛躍したと言える。先行、捲りをベースに組み立て、必要ならば内、外関係なく好位を取りにいくヨコのさばきも見もの。今年グランプリのタイトルを奪取すれば、競輪界は一気に眞杉カラーに変わる可能性を秘めており、新時代の幕開けになるかもしれない。

 



賞金ランキング9位 5番車 岩本俊介選手

 何とか最後にGPメンバーにすべり込んだ岩本。陸上からの転身組だが自転車でもその素質は開花。デビューから快進撃を重ね、約1年後にはオールスター競輪に出場とスピード出世で一流選手の仲間入りを果たした。しかしG1開催ではなかなか結果が出ず、今年の日本選手権競輪で初のG1決勝進出、結果は2着とGP出場へ大きな弾みをつけた。

 

2024年の実績

 日本選手権での2着はGP出場への大きなアドバンテージと言っていいのだが、今年の岩本はそれ以降優勝を果たすどころか逆に落車からのケガに苦しめられてしまった。ここに至るまでは小倉競輪祭の決勝の結果待ちと本人ならずとも祈るような状況。そこをくぐり抜けての出場だけに、ツキの太さを持っている。本番でもそれを力に虎視眈々とVを狙って来る。直線一気の場面を早くも期待するファンも多そうだ。

 

得意戦法

 かつては先行、捲りで活躍した岩本だがやはり年齢を重ねるごとに先行数は減っていき、今は捲りを中心に時にはカマシ先行もまじえた戦いに変わってきている。近況は若手の台頭も目立つので目標のいるレースも多く、強気なさばきはあまり見せないタイプの自在選手というのが今の戦い方となる。

 

特徴を徹底解説

 特に強烈な個性を放つタイプではないが、逆に言えばどこにでもいる、我々とあまり変わらない人間というのが岩本の印象。初めは寡黙なイメージがあったがそこはやはり体育会系。地元記念を取った時にはウサイン・ボルトのおなじみのポーズを披露するなど実際には明るく親しみやすい好青年だ。しかしここに来るまでの不断の努力と秘めたる勝利への執念があることも強く言っておきたい。

 

賞金ランキング7位 6番車 清水裕友選手

 通算6度目の競輪グランプリ出場となる。今年は昨年の覇者で「盟友」と言うべき松浦悠士(広島98期)の姿はなく、中国地区からはただ一人の参加となった。その松浦やヤンググランプリを走る太田海也(岡山121期)と言った今、勢いのある中国地区の代表として大一番に臨む。初めてグランプリに出場したのは2018年の静岡。今年もその舞台で走る。今年後半は平塚オールスターの失格をはじめとして、とにかく苦労した印象が強い。地元防府記念7連覇も今年は途切れてしまった。好スタートを決めていた今年の前半が目覚ましい活躍だっただけに、小倉競輪祭から本番までにどれだけ状態を上げてくるか。

 

2024年の実績

 今年の前半は一月大宮記念GⅢの優勝から始まり、続く川崎記念GⅢ準V、静岡記念GⅢV、岐阜全日本選抜は3連勝で勝ち上がり決勝3着。取手ウィナーズカップGⅡも決勝3着、高知記念GⅡ準V、いわき平ダービーGⅠ決勝6着と、とにかく活躍が目立った。ただ、後半は失速し記念優参こそあるものの、優勝自体は8月松戸記念GⅢ一度だけとやや寂しい結果となった。

 

得意戦法

 柔和な人柄ではあるが、レースでは常にアグレッシブな戦いをする。松浦悠士(広島98期)との連係時は前後どちらでも戦っているように先行・捲りのタテ脚、更にはさばきも両方こなすまさにオールラウンダーだ。単騎戦はお手の物で、結果に関しても悪くない。このクラスでは総合的な脚力で戦わないと勝負にはならないが、そこでしっかり戦えているという事がそれを証明されている。とにかく競輪グランプリ本番までに状態をどれだけ上げてきているかがカギ。

 

特徴を徹底解説

 山口県はかつて大和孝義氏(引退)や宮本忠典氏(引退)、富弥昭(76期)らの活躍はあったが、大きいレースとなると同じ中国地区の岡山、広島の両県と比べても劣勢を強いられていた。桑原大志(80期)のS級S班入り後は中国地区全体に波及し、その薫陶を受けた清水が今は山口を代表する選手として地区をけん引している。何といっても地元防府記念にて今年こそ記録は途切れてしまったが、同一記念6連覇は偉業中の偉業。いくら地元とは言え、そう簡単にはいかない事だけに価値はある。今年は単騎での戦いとなる。ラインがない分好きなように走れるのは大きい。2015年大会は6番車の浅井康太(三重90期)が単騎で優勝した。今年の6番車は。そう、この人だ!ひょっとしたら一撃あるかもしれない。

賞金ランキング5位 7番車  北井佑季選手

 今や南関東のナンバーワン先行に成長したのが北井佑季。プロサッカー選手からの転身と順風満帆のアスリート人生ではないが、すべての苦労が今花開いている。デビュー当時は持ち味の突っ張り先行で多くの敵を振り切り人気に応えて来た。昇級後もスタイルは何も変わらず先行一本。ひたむきな姿がファンを熱くさせる最も大きな要因だ。

 

2024年の実績

 S級でもラインを引き出すレースを第一に走って来た北井だが、6月の岸和田高松宮記念杯競輪では神奈川の総大将郡司浩平が何と先頭で突っ張り先行。番手の位置から抜け出して後続を振り切り初めてのGⅠ優勝を手に入れた。しかしその後もスタイルは変えずに先行一本。もちろん今回も多くの人々の期待に応えて風を切って走るレースを本人も望んでいることだろう。

 

得意戦法

 彼の得意戦法は言うまでもないが自力。それだけだ。前が取れれば突っ張って駆けるし、そうでないときは猛然と敵を叩きに行ってとにかく前に出切る。そこから最後まで持つか持たないかは彼自身も分からないのでは。結果が出ればデキはいい。出なければ自分が弱いと考えるようにしていると思える。

 

特徴を徹底解説

先述の通り彼の大きな特徴は相手が誰であろうとも決して動じない先行一本のスタイル。いざ仕掛けるときは迫力がこちらにもビンビンと伝わって来るほどだ。おそらくは師匠の高木隆弘(64期)の教えを忠実に守っているからと思われる。練習での過酷さはおそらく我々の想像をはるかに超えるものだろう。早めに駆けて末を欠くこともあるが、すべての競走が彼の挑戦の場。いつか先行日本一の座をつかんで欲しい。

賞金ランキング8位 8番車 新山響平選手

 3年連続、3度目の競輪グランプリ出場を決めた。北日本からはただ一人の参加となり、佐藤慎太郎(福島78期)、守澤太志(秋田96期)、新田祐大(福島90期)らの名前は無い。出場を逃した彼らの気持ちを背負いながら大一番に臨む。この人は競輪選手の中でもトップクラスのイケメン。それでいて競輪でも強いのだから凄い。かつてはナショナルチームの一員として世界でも戦っていた脚力は輪界トップクラス。競輪においては北日本ラインの先頭で常に戦い、別線と壮絶な先行争いを繰り広げてきた。イキのいい北日本の自力選手達にとっては憧れの選手でもあり、彼らのよきお手本を示すレースをしている。

 

2024年の実績

 グレードレースを主戦場にしながら、勝ち上がり戦での勝負強さは特筆ものだ。当然別線の挑戦を受ける立場であるにも関わらず、安定して決勝に勝ち上がれているのはさすがとしか言いようがない。逆に言えば、その強さゆえ、決勝では別線の激しい抵抗に遭ってなかなか勝ち切れない場面が多かった。優勝自体は実に11月四日市記念GⅢのみと寂しい結果だった。今回は一発勝負だけに、勝負強さを発揮できるかどうか。

 

得意戦法

 先にも述べた通り、自転車競技ナショナルチームトラックのメンバーにも選ばれていたように、日本トップクラスの脚力の持ち主。主戦法は先行を中心とした自力勝負だ。去年のグランプリでは脇本雄太と踏み合い、敗れはしたものの存在感は示した。今年の安定した走りの主なものは先行。勝ち上がりの大一番で先行できる自信の大きさはこの人の力強さを示している。そうかといって捲りも効かないわけではないし、長い距離を踏める強みは別線へ脅威を与える。今年は単騎で走るが、持ち前のタテ脚でどこまで迫れるか。

 

特徴を徹底解説

 デビューしてから一貫して先行主体の競走を貫いている。対戦相手からしたらこの人から先手を奪うことは容易ではないし、共倒れの覚悟をして先制を狙いに行かないといけない。相手にそう思わせるのは新山の強みだろう。本来なら佐藤慎太郎や守澤太志、新田祐大らとラインを組んで別線と戦いたい所だろうが、今年は単騎での戦いとなる。9月地元青森記念決勝で眞杉匠とヨコを壮絶にやり合ったように、さばきは苦手ではないが、長い距離を踏める強みを生かした走りをしたいだろう。単騎なので展開に左右される部分があるのは仕方のない所だが、自らの持ち味を存分に発揮することができれば、栄冠に手は届くはず。

 

賞金ランキング2位 9番車 脇本雄太 選手

 タテのスピードを生み出す天才。2022平塚グランプリ制覇をはじめ、積み上げたタイトルは11冠を数え、全日本選抜競輪のタイトルを取れば、GⅠが6冠になってからGⅠ全冠制覇にグランプリ制覇を加えたゴールデングランドスラマー(注1に輪界史上初めてなる。長年に渡り自転車トラック競技のナショナルチームで大活躍。東京オリンピック代表を最後にナショナルチームから離れ、今は漢字の競輪に専念。

(注1)ゴールデングランドスラム達成は井上茂徳さん 滝澤正光さんの2名ですが、寛仁親王牌がGⅠとなったのが1994年開催のため、5冠とグランプリ制覇での達成になります。寛仁親王牌を含め6冠になってからのゴールデングランドスラマーは、まだ達成者はおりません。

 

主な2024年の実績

 今年は競輪祭GⅠを初制覇してグランプリも含めたゴールデングランドスラムに、残すは全日本選抜競輪のみとリーチ。他のGⅠでも高松宮記念杯・寛仁親王牌で優参。GⅡはウィナーズカップV。記念競輪GⅢは地元福井記念を6回目の制覇・京都向日町記念の2V。2度目のグランプリ制覇叶えれば賞金王にも輝く。

 

得意戦法

 ワールドクラスの加速力を武器に、一気にトップスピードに到達するカマシ・捲りが得意戦法。以前は前受け(注2)から全部引いて巻き返すスタイルが多かったが、近況は後攻め(注3)から睨みを効かせて一気に仕掛ける競走が多くなっている。グランプリでは番手の1番車古性優作がリクエスト通りの位置を取ってくれそう。大一番では前受け、後攻め、あるいは中団どの位置から組み立てるのか。

(注2)周回中、誘導員の後ろを取ること。

(注3)9車立ての競走でライン2車(今回は脇本―古性)なら、周回中8番手から組み立てること。ラインが3人づつの三分戦なら、7番手から組み立てることを言います。

 

特徴を徹底解説

 何と言ってもスピードが魅力で、スピードバトルに持ち込めば勝利に一番近い。今開催は追い風になるデータもある。まずは脇本偶数年強い説。これまでGⅡ以上の特別競輪は11冠だが、内9冠が偶数年に集中。もちろんグランプリ初戴冠も2022平塚と偶数年。もう一つは静岡グランプリにちなんだもの。これまで静岡でグランプリは3回開催されているが、2018年第1回の覇者は三谷竜生(奈良101期)、2021年第2回の覇者は古性優作(大阪100期)で近畿勢が独占。「2度ある事は3度ある」のことわざ通りになるか。

この記事を書いた人
編集部

新着コラム

コラム一覧