グレードレース

競輪放浪記【第16回】(麻雀プロ 滝沢和典)(アオケイ紙面掲載コラム)

2024/04/30

2年前、佐藤慎太郎選手と対談させていただいた時に「戦略にもトレンドがある」という話題になりました。
慎太郎さん曰く、今の競輪はスピードが上がっている。番手の仕事には、上半身を反転させて「目で止める」みたいな駆け引きがあった。ところが最近は、スピードのある選手がお構いなしにビュンビュン前に出て行ってしまう。それに対応するため、気配を察知してブロックしにいく技術が、以前に増して必要になったとのこと。

麻雀にも対人の駆け引きがあります。
数年前までは、例えば私の様な好形を好む平均打点が高いスタイルの打ち手に対しては、安く待ちの悪い手牌では勝負に出ない、慎重に攻めるといったような対応が重視されていました。
それが打牌に影響して、今より楽に勝てていた部分はあったと思います。
最近は相手がどうこうよりも、自身の手牌の損得が重視される傾向にあります。
私が近況苦戦を強いられているのは、時代遅れのオヤジの麻雀になっているから、決してツキの問題だけではないのかもしれません。

眞杉匠選手が優勝となった西武園の記念では、埼玉5車の連係が敗れてしまいました。もちろん眞杉選手は強いし、記事にあるように展開のアヤもあったのでしょう。しかしながら個人的には、平原康多選手をはじめとするレジェンド選手にはまだまだ活躍してほしい、脚力だけではない競輪を見せてほしいという願望があります。

くだりの対談で慎太郎さんは、神山雄一郎選手(56)は若手と積極的に話して、戦略やトレーニング方法など情報を収集していると仰っていました。きっとストイックと言うよりも自然に、勝負に勝つための本能からやっているのでしょう。

私もこのまま同じ相手と同じ練習方法でのんびりやっていると、気づいた頃にはただのオヤジになってしまうのではという危機感を感じます。オヤジ界のレジェンド達を見習って精進あるのみ。何でもやります!
「決勝にアイツを残したのが敗因です」そんな選手になりたかった…いやまだなれる!限界?気のせいだよ!

〈左:滝沢和典〉

滝沢 和典 プロフィール

競技麻雀のプロ雀士。

日本プロ麻雀連盟所属。

MリーグではKONAMI麻雀格闘倶楽部に所属。

愛称はタッキー。

キャッチフレーズは「越後の奇跡」、「麻雀バガボンド」

生年月日: 1979年12月6日 (年齢 44歳)

血液型:B型

出生地: 新潟県 長岡市

 

この記事を書いた人
編集部

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