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自分にとって初めての出張が平成5年の宇都宮オールスター。当時は近畿地区が6日間場外発売をしない特別競輪もあり、競輪場入りしたのは2日目から。朝練習を見るために早朝に到着しないといけないので、前の日の晩に天王寺発大宮行の夜行バスに乗っての参戦という強行スケジュールでした。特別競輪の参加人数は162人でしたから朝練習も大勢の選手が行っており、それらの選手の一挙手一投足を見逃さまいと、寝不足の疲れを忘れて、バンクを凝視し続けました。記者的にはそのハイテンションのまま最終日まで取材を続け、迎えた決勝戦。ラインは神山雄一郎-俵信之の即席コンビ、出口真浩-高木隆弘-山田英伸-佐々木龍也の神奈川、海田和裕-松本整-金田健一郎の中近の三分戦。神奈川が全員法政二高出身で、出口が引き出して、高木が二段駆けだろうと記者席意見が多数を占めていました。レースはその通り、赤板から上昇した出口が最終ホーム手前から目イチで先行。神山5番手、海田7番手で勝負所になり、海田がまず仕掛けて、前団に襲いかかろうとしたが、委細構わず高木が番手捲り。この流れの中、冷静に立ち回ったのが、まだ特別競輪で優勝がなかった神山。海田が失速して、自然消滅するのを待ってスパート。大外を突き抜けて悠々とゴール。神山が嬉しい特別競輪初優勝を飾った。そして表彰式。当時は記者席がホームスタンド、表彰会場がバックスタンドのため神山の背中を見ての観戦となりましたが、テレビのモニターを見ると号泣する神山の姿。これだけの思いがありながらハイテンションになることなく冷静に走れた神山の凄さを感じました。それから29年神山は今年もオールスターに参加。レジェンドとなった神山がどんな走りを見せてくれるか楽しみです。