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1月6日〜1月7日に「TIPSTAR DOME CHIBA」で行われる「PIST6 Championship」の「フォースクォーター」。初日の3R一次予選Cに出走予定の小嶋敬二に話を聞いた。
元旦に起こったばかりの能登地震で、まだまだ多くの救助を待つ方や被災された方たちの事を考えれば、心が痛むばかり。
そんな石川県の代表選手とも言える小嶋が今開催に出場。
小嶋は大晦日に、いわき平の最終日を走り終えて23年の走り納めだった。
「平が終わってからは品川に行っていて、そこのホテルで地震を知りました。ただ、さすがに家の事が心配で気が気でなかったから2日の朝に金沢に向かいましたよ。北陸新幹線が動いていなかったので、京都回りでしたけどね。幸いな事に金沢の家は近所の石垣が崩れていた程度で、家族は無事でした。あとは俺の獲ったトロフィー類が倒れていた事くらいかな。でもG1やG2のトロフィーは全然倒れていなくて、やはり物がしっかりしているんだなと。倒れたのはG3のヤツだったね(苦笑)」と最後の方は悲しい出来事を吹き飛ばすような小嶋節を炸裂させ、周囲を和ませてくれていたのは、さすが。
更に「心配は心配だけど、金沢に居ても今はできる事なんてほとんど何もない。居たら居たで、コンビニの水とかを消費してしまうだけでしょ。僕らより必要な人に食料とかの物資が回らなくなってしまうし。それなら行けるんだから競走に参加して、自分の持ち場で今は一生懸命に頑張るだけですよ。その後に義援金の事とか色々と僕らにできる事を考えていこうと」と小嶋なりの考え方を語ってくれた。
“ここで優勝して勇気を与えれば”というダイレクトなコメントは出さないが、本人なりに秘めたる思いが十分にあるのは、聞いている記者にも十分に伝わってきた。
そんな小嶋の近況は1勝が増え出し、点数も100点を超えてきて復調気配。
「2ヶ月くらい前から、やっと自分の時間が取れるようになってきて練習できているのが大きいね。だから、ここ5場所の現行競輪では開催後ごとに1着を取れているでしょ。脚は上がってきているからね」とニッコリ。
インタビュー中は場を明るくしようと、どうしても最後は笑いに変えてにこやかに去っていく小嶋だが、タイムトライアルでは10秒500と自己ベストを叩き出した。やる時はやる男の面目躍如と言ったところか。被災地への思いと共に静かなる闘志を背にする姿を応援したい。