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立川競輪場では30日「KEIRINグランプリ2023シリーズ」の最終日を開催。グランプリ5度目の挑戦で初優勝を飾った松浦悠士に話を聞いた。
レースは前受けの新山響平が先行。脇本雄太が早めに上昇し、残り1周で新山を叩き切って近畿勢が主導権を握る展開。
最終バックで中団から単騎の深谷知広が捲りに出ると、近畿勢をとらえる。深谷の後位に切り替えた松浦が追い込み、ゴール線を駆け抜けた。グランプリ5度目の挑戦で初優勝を飾った。
「本当に嬉しいです。それしかないです」
その声は震えていた。
「今回で獲れなかったら、もう獲れないんじゃないか…と思う時もあったんですけど…(涙を拭う)。本当に苦しい一年だったので嬉しいです」とバンク内の表彰式では大勢のファンを前に大粒の涙を拭った。
涙、涙の表彰式から一転、松浦は笑顔で会見に臨んだ。
――率直な今の気持ちは
松浦 (グランプリ出場は)5回目なので、良い緊張感で臨めました。この喜びは家族に最初に伝えたいですし、見に来てくれた師匠(脇田良雄)にも。賞金王(※)の実感は湧かないですが、ずっと目標にしてきたグランプリ優勝を決めることができて本当に嬉しいです。
(※)2023年賞金総額2億5,270万7,900円。また、通算取得賞金額が10億1,568万6,311円となり、10億円を突破。10億円到達は通算39人目、現役選手では21人目。
――レースをふり返って
松浦 スタートは深谷さんに入られて失敗してしまって反省。切り替えるには早いかなと思ったけど、優勝するにはあそこで切り替えないと、と思った。裕友には申し訳なかったと思っています。
やっぱり新山君が駆ける展開になると思っていたし、踏み合いになってくれたら良いなっていうところはあったんですけど、「緩んでも仕掛けずにいよう。緩んでも我慢」と裕友とは話していた。脇本さんが叩いたら3番手にスイッチするという感じだったけど、新山君が突っ張るかもという可能性もあって、少し遅れたところを深谷さんに入られた形になってしまった。そこをもう少し早めに上手く切り替えられていたら、ワンツーだったかもしれないですね。
――そこは体が反応して切り替えた?
松浦 浮いたのが見えて、過去に待って失敗していることもあったので、「早めだけどゴメン」と思いながら切り替えさせてもらいました。
――優勝を確信したのは?
松浦 まずは深谷さんが近畿ラインをとらえられるのかどうかでした。そこにある程度、託していた部分もあったので、裕友から切り替えた後は「深谷さんが近畿ラインを飲み込んでくれれば自分にもチャンスがある」と思って踏み込みました。
――今年一年はどんな一年だったか
松浦 本当に苦しい一年だったので、最後に笑顔で終われて嬉しいです。今後は毎年、タイトルは欲しいですし、今年は裕友が前で頑張ってくれたので「今後は裕友の助けになれるように」っていう思いもあります。まだまだ自分自身も未熟なところがあるので、中四国の先輩、後輩たちにしっかりと恩返しできるような選手になりたいです。
もちろん『グランドスラム』は選手としての目標の一つでもあるし、あとGIタイトルを3つ(全日本選抜、高松宮記念杯、寛仁親王牌)、共同通信社杯(GII)も獲れたら一番良いですし、そこを視野に入れて頑張っていきたいです。
――来年一年間、袖を通す『一番車・チャンピオンユニフォーム』について
松浦 どうでしょう。スタートをお願いされることが多いと思うので、体を痛めないように頑張りたいと思います(笑い)。
自分自身、もっともっと成長できると思っている。年明け一発目は大宮記念ですね、体調管理をしっかりして頑張りたいと思います。
――ご褒美のスイーツは
松浦 深谷さんが「帰りに食べて」とチョコレートをくれたので、味わって食べたいと思います!(笑顔)