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広島in玉野競輪
最終日 11R 徳島 ⑤北村信明 ⑨木村隆弘
この二人は3日目の並びが決まるまでに時間がかかった。番組的には青柳靖起選手に付けられるのだが、どっちが前を回るかで数十分のやりといがあった。
木村「今まで足場がない時に頑張ってくれているから俺が3番手!俺は譲らんよ(笑)。」
北村「そんなん前の話で関係ない。今の得点順に並ぼうよ~。」
このやりとりを繰り返していた。連係するであろう青柳は「記者さん。揉めているんですか?どっちが番手か。」
記者「いやっ逆。どっちもが3番手でいいって譲り合っているの。」
青柳「マジっすか?!珍しいですね。」
長い話し合いの末に決まった答えは
木村「俺が3番手です。今、競走得点が俺の方があるっていっても0.1点。そんなん関係ないでしょ。今まで前で頑張ってくれとるけん。」
北村「ほんなら今回だけな。次はほんまに競走得点順に並んでよ。」
と決定した。二人は同級生コンビで普段から大の仲良し。お互いを尊敬し、信じているからこそ任せ合える。以前からこの二人で連係した時の確定板入りは7割超えで実績も豊富。競輪は脚だけでは勝てないスポーツ。お互いの信頼関係があれば格上さえ倒すことが可能。2日目、北村が最終3角で内に潜り込み中を割って3着。木村は空いた外のコースを伸びて2着。
木村「今日のレースは北村君のおかげ。僕が後ろに居るから前々に攻めてくれた。そのおかげで僕のコースができたんですよ。これがあるから北村君に前を任す。みんな分かってくれるでしょ。これで二人の確定板率は8割超えたんじゃないですか?(笑)。」
俺が俺がと自己主張する場面も必要だとは思うが、譲り合う所も必要。二人信頼関係はこの先もずっと続くだろう。このレースでいかに信頼関係が大事か、気持ちが大切かを再確認させられた一戦だった。
最終日もまた難しいメンバー。中四国は山本奨、田尾駿介、北村信明、木村隆弘。北日本が新田祐大、保科千春。埼玉勢が岡光良、白岩大助。中部は吉田敏洋が一人。
中四国勢は「奨君に全員付くと新田祐大と2分戦みたいになってプレッシャーがかかる。分かれてやった方が気も楽だし、奨君もその方がいいだろう」と。
田尾「それなら僕は奨さんに付きたいです。」
北村「じゃ俺らは吉田さんの了解を得て付かせて貰おうか。」
―――吉田に了解を得て―――
北村「じゃ俺らは吉田さんに行かせて貰います。」
記者「そこの並びはどっちが前?」
北村「俺が点数通り3番手。昨日、今回はって言ったでしょ(笑)。」
木村「そういうことで(笑)。今回は僕が番手を回らせて貰います。」
譲り、譲られこの二人は結束力を強めていく。