アオケイ・小田競・中部競輪・競輪研究4紙合同の競輪サイト
玉野競輪場の「開設71周記念・ひろしまピースカップ(GIII)」は20日に初日を迎える。12RのS級初日特別選抜に出走する守澤太志に話を聞いた。
「SSとして走らせていただいたのに、その責任をほとんど果たせず悔しい一年だった」
そう話す守澤の言葉には重みを感じた。
前走の別府記念で今年初優勝。しかも自ら捲って、『自力』で掴み取った。
「(SS陥落で)肩の荷が下りたというか、優勝できた別府は立場的にも楽に気負わず走れたのが大きかったのかも」とふり返る。
トップに君臨するからこそ、見える景色がある。S級S班として戦ってきた3年間、守澤にはどう映っていたのか。そこには苦悩もあったはずだが。
「苦しさというよりかは、注目される機会も多いので、そういうしんどさは少なからずありましたね。振る舞いもそうですし、SSというだけでオッズが売れるので。もう来年からはそんなことはなくなるでしょう(笑い)」と本音を吐露。
年始めの大宮記念でのトークショーでは、タイトル奪取に意欲を見せた守澤。「もうSS(復帰)は無理だと思う」と口にするが、SS陥落が決まった今、改めて聞いた。タイトルへの思いは?
「もともと獲れる器じゃないですから。やっぱりSSである立場、タイトルを獲りたいと口にはしてはいましたけど…。チャンスがある中で獲れなかったっていうのは、そういう器だってことですよ」と、どこまでも自分に厳しい評価を下す。
その厳しさはそれだけ守澤が己と競輪と、真剣に向き合い、常にトップとしての覚悟と責任を持って戦ってきたのだ。
SSとして最後のシリーズを迎えるが「競輪祭が終わってから、来年に向けてキツめの練習をしている」と話す守澤の視線は来年へと向いている。