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今年5月にデビューした129期の福地晶(福島)。
“プロとして初めての日中レース”
“初めて挑む立川バンク”
“初めての雨の中でのレース”
3つもの“初めて”が重なったレースは、彼にとって大きな課題と強い悔しさが残るものとなった。
「朝ごはんをどれだけ食べていいのかわからなかったけど、体のコンディション自体はよかった」と語る福地。しかし、朝から視界を遮るほど激しく叩きつける雨が、容赦なく試練を与え、アクシデントは発走直後に起きた。
「スタートが雨で滑ってしまって、前を取れなかった……」
まさかの足元の滑りで目標としていた位置取りを逃し、レースは後攻めを余儀なくされる展開に。「前に出たかった」と漏らす言葉の裏には、己の結果に対する悔しさだけでなく、滲み出る強い責任感があった。この日、福地の後ろには3人もの先輩がついてラインを固めてくれていたのだ。だからこそ、後手に回ってしまった展開に悔しさを隠せない。
4人兄弟の2番目として育った福地は、真面目で心優しい性格だ。今回の遠征前にも「前日に入ったほうがいいか、前々日がいいか……」と家族に相談を重ねていたという。
そんな彼の実家は、福島県で有名な温泉街の近くにある大人気の和菓子屋だ。看板商品は、福島県会津地方のソウルフード「天ぷら饅頭」。サクッと香ばしい衣、温まることでふっくらとする皮、そしてとろける自家製あんこ。
「揚げたては本当に美味しいんです!」と、福地自身も大好物だと笑顔を見せる。
そんな福地が今回の遠征で満を持して持参したのが、実家自慢の新商品「カステラ丸」だった。さっそく仲間に配ると、「美味しい!」と太鼓判を押されたそうだ。
「ラインでついてくれた仲間のために前に出たかった」と、悔しい気持ちと課題を胸に刻んだこのレースは、福地にとってプロとしての確かな糧となるはずだ。
「(地元・福島の)いわき平のバンクに似ている」という感覚も掴めた初の立川バンク。 新人ゆえに“初めて”の試練に戸惑うことは、これからもきっとある。けれど、その度に経験を重ね、まだ見ぬ新しい景色を掴み取ってほしい。