FⅠ&FⅡニュース

娘が気付かせてくれた 吉本卓仁

2023/01/02

高松競輪 1日目 12R 6番車

 

吉本 卓仁 選手

 

記者「吉本選手。皿屋選手が前検当日に欠場し初日特選に繰り上がりましたよ。」

 

吉本「マジで!!嬉しい~。って事は…(山田)庸平と(野田)源さん?どうすればいいんだよ~。記者さん何が正解なの?源さんは同県の先輩。庸平は九州を背負ってやっている自力…。ムリ!これは俺が決められる問題じゃない。源さんに決めて貰います。」

 

―――しばらくしてーーー

 

吉本「源さんに庸平を一人にさせる事はできない。庸平に付くべきと言われました。それと同期で(橋本)強が後ろを固めてくれる事になりました。トップクラスで戦っている選手の後ろで勉強させてもらいます。」

 

記者「吉本選手も初日特選に選ばれるまで戻ってきましたね。」

 

吉本「こんなに早く結果が出るとは思ってもいなかった。練習方法を昔の地面乗りに戻したんですよ。ずっとそれでやってきたのに、室内練習をメインにやりだして。合っていなかったんでしょうね。気付くのに時間がかかりました。」

 

記者「街道練習が合っているって事ですか?」

 

吉本「そうですね。そこを気付かせてくれたのは娘のお陰でもあるんです。」

 

記者「娘さんが?」

 

吉本「娘がバレーボールのチームに入っていて、僕が自転車で一緒に送り迎えしているんですよ。そうするといつの間にか競走になって。娘は僕に勝ちたいからスピードを上げて漕ぎだす。僕は車間を斬って見ていますが、最後はきっちり差しますよ()。こっちはプロですから。プロの厳しさを教えています。そんな事をやっていたら自転車って楽しいなぁって思えるようになって。昔は楽しめていたのに、いつの間にか自転車が仕事で苦痛に感じていた部分があった。それを思い出させてくれた。娘に感謝ですね。」

 

 

どんな強い人間でも好調もあるし不調もある。気持ちだっていつも張ってばかりじゃいられない。マンネリ化し気持ちの入っていない時期も当然やってくる。これも強くなるために通る道と考えれば、今の吉本はひと皮むけて成長した。特選回りのアドバンテージを活かし、今節の活躍を期待する。