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松山競輪「開設74周年記念・金亀杯争覇戦(GIII)」は10日、最終日を迎えた。12レースS級決勝で今年2度目のGIII優勝を飾った古性優作に話を聞いた。
タテにヨコに、縦横無尽。これぞ古性優作の真骨頂というレースで、和歌山記念(1月)以来10度目となるGIII優勝を飾った。
古性は「初日は北井さんに通用しなかったので、ある程度しっかりレースを組み立てないと勝負にならないなと。和田健太郎さんもカンナ削りに来ていたし、削られたので上から行こうと。(和田真久留をキメて、北井の番手を奪取した場面は)北井さんのダッシュが凄くて、そこを置きに行った感じです。後ろから(松本貴治が)来たのが見えて踏んだけど、最後まで分からなかった。客観的に古性優作がどう勝てるかを考えての組み立てでした」とレースをふり返った。
王者とは孤独なものだ。
今シリーズの古性優作は、自分にどこまでも厳しかったように感じた。
「力不足です」、「自分が弱いだけ」、「周りがレベルアップしているのに、僕だけが足踏みしている」と一向に景気のいい言葉が出てこない。
『輪界最強』として呼び声の高い古性が感じる「弱さ」とは。何をもって弱いと捉えているのか。その領域にたどり着いたものにしか分からない王者の胸の内に迫った。
「目標設定が『GIの決勝に乗る』だったら良いけど、今年あと残された『5つのGIを獲る』ってなったら、今の僕には足りないものが多すぎる。求めるレベルですよね。やっぱり、GIは『心技体』すべてが揃っていないと獲れるものではないので」
昨年、年間3度のGI優勝を果たした古性の言葉には重みがある。強くなればなるほど、周囲からの期待は大きくなり結果が求められる世界。常に己と向き合い、更なる高みを目指す古性なら、きっと今後も私たちの期待を超える強さを見せてくれるに違いない。