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西武園競輪場の「デイリースポーツ賞(FI)」は26日、2日目を迎える。12レースのS級準決勝を走る山口多聞に話を聞いた。
2分戦、前受けの山口は赤板とホームで川越勇星を2度突っ張る。番手の岸澤賢太が痛烈ブロックで、とどめを刺して関東勢が主導権を握る。しかし、3番手の上原龍が川越から切り替えた東龍之介に捌かれてしまい、迎えた直線。最後は岸澤が山口を交わしてワンツー、南関勢に付けた原誠宏が内を伸びて3着に入った。
山口は「前を取って突っ張るのは作戦通り。ただ、かなり風が強くて。特にホームが向かっていたので、最後も踏み返すのがキツくって押し戻された感じです。岸澤さんが川越さんを張ってくれたのが見えたし、脚力的には大丈夫だったけど、風に脚を削られてしまった」とふり返った。
今期S級に昇級したばかりだが、走るごとに強さを発揮している。「A級戦では自分のペースで駆けられたけど、S級はそう甘くない。全力で踏まないと戦えないですね。変にスタイルを崩さず、自分のスタイルを貫いていきたい。一戦一戦しっかり戦って、準決勝、決勝と上のレースに勝ち上がれるように頑張っていけたら」と成長の過程を大事にする。
ちなみに名前の由来は、日本海軍きっての闘将『山口多聞(※)』だそう。(※ミッドウェー海戦で三空母被弾炎上して主力空母が撃沈する中、ただ一隻残った空母「飛龍」を率いて孤軍奮闘。アメリカ軍に一矢報いた軍人として知られる)
同姓同名にピンときていた競輪ファンもいるであろう。山口は「父が軍事史好きで。男の子だったら『多聞』と決めていたみたいです。女の子だったらどうしていたんですかね(笑)。自分も名前負けしないように頑張ります」と締め括った。