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今年、大ブレイクの眞杉匠選手。オールスターでG1初優勝、栃木支部からは史上最年少のタイトルホルダーに。そして競輪祭で単騎で抜群のレースセンスを見せて2度目のG1優勝。関東を背負う若きエースが今年一年をふり返ります!
――今年の始め、どんな目標を立てていましたか?
眞杉 毎年、毎年そうだけど、前の年よりも良い成績を収められたら、と。もちろんタイトルを獲りたいとは思いもありました。
――ずっと目標にしてきた地元記念を優勝。そして、オールスターと競輪祭で2度のG1優勝。今年はやれそうな感じはありましたか?
眞杉 うーん、今年は番手回りも増えたので。そこもちゃんと出来なきゃダメだな、と思っていましたね。
――自己採点をするとしたら、何点でしょう?
眞杉 うーん…。厳しめにみて、75点!
――悔しかったレースをあげるとしたら?
眞杉 ダービーの準決勝ですね。相手が新山(響平)さんで、向こうのスタイルでやられた上にワンツースリーを食らった。何もできなかった。
――その後、地元・宇都宮記念は気持ちを入れ直して臨めましたか?
眞杉 そうですね。でも、競輪祭の前検日に今年のベストレースを聞かれても、パッと出てこなかった。
だから、今年はそんなに良いレースができなかったなって。成績は着だけ見たら良いですけど。
――優勝したオールスターの後、気持ちや意識に変化はありましたか?
眞杉 やっぱり、「自分だけで戦っているわけじゃない」というのは再認識しました。
――競輪祭の優勝はふり返ってどうですか?
眞杉 単騎で良い位置が取れて、流れが向いただけ。正直、インパクトのある勝ち方でもないし、まだまだだなって。それに競輪は「ライン戦」だから。
――デビュー当時、今の自分を想像できました?
眞杉 できない。だって、いつもグランプリは家で見てたし(笑い)。
――デビュー当時の目標は何でしたか?
眞杉 赤パンが格好良いと思って、SSになりたかった。ずっとSSで同地区だった平原康多さんに憧れていました。
平原さんには普段から相談したりするんですけど、的確に教えてくれて「やっぱりそうだよな」と再認識できる。迷いが吹っ切れるし、平原さんと話したこと全てが勉強になる。
(神山)雄一郎さんもそうですけど、背中を押してくれる存在ですね。
――栃木、関東だけにとどまらず、今では競輪界を代表する先行選手となりました。
眞杉 犬さん(犬伏湧也)とか北井(佑季)さんとかの方が徹底先行じゃないですか、新山さんとか。
本当はあれぐらいの先行をしたい。突っ張ってラインで決められるんだったら、それ以上の走りはないですから。
――その3人は意識する?それぞれ違う強さ、武器を持っていますけど。
眞杉 する。みんな俺よか全然強いです。
――今、関東勢は眞杉選手を中心に士気が高まっていますね。
眞杉 関東から9人、SSを独占したい!(笑い)
――可能性は…「0」じゃないですよ。
眞杉 厳しいでしょ(笑い)。
でも、北日本だって4人(佐藤慎太郎、新田祐大、守澤太志、新山響平)いたし、あれだけ多いとインパクトが強いですよね。
――先日、宿口陽一選手が「眞杉の周りは鼻息が荒い」と話していました。
眞杉 最近は栃木に来てくれる人が多くて、この間は埼玉から5人。黒沢征治に森田優弥、小玉勇一、荒木貴大、藤田周磨。
東京からは樋口開土、寺沼拓摩。板垣昴も。お互いに刺激が入るし、こっちもありがたい。関東にとって、すごく良い流れかなと思います。
――そのうち、弟子を取ったり?
眞杉 弟が中3で、来年から高校生に。自分と同じ作新(学院)の自転車部に入る予定なんですけど、(競輪を)やるって流れになるだろうから…。
そうなったら、自然な流れで師弟になるのかな。競輪学校に受かればの話ですけどね、まだ始まってもいないので。
――兄弟、似ていますか?
眞杉 性格は似ているかも。背がでかくて181ぐらいあって自分が177なので、見下ろされているんですよ(笑い)。
――ご自身の性格をどう捉えていますか?
眞杉 負けず嫌い、周りからも結構そう言われます。最終日に変なレースをすると「何やってんだ~」って、ずっと帰りの車の中で考えている。
道中でダメでも、最終日に終わり良ければって感じ。初日の滑り出しが良いと、その開催は良いのかな。初日にずっこけると、ね…。競輪はメンタルスポーツですから。
――競輪祭は2連勝でダイヤモンドレースと、最高の流れでしたね。
眞杉 オールスターの優勝でグランプリの権利を持っていたし、気持ちに余裕はあったのは大きいですね。
それでも、初日、2日目と連勝して気持ちの面では充実していたかなと。初日の入り方は大事。
――改めて、新たにSSとしてどう戦っていきたいですか?
眞杉 やっぱり単発で終わりたくない。自分のスタイルを崩さずというか、守りに入らずに走って、何年も赤パンを履き続けたいですよね。
――グランプリを優勝したら、ご褒美に何を買いましょうか?
眞杉 また車を!欲しい車?うーん…、いっぱいありますね。
――最後に来年を見据えて意気込みをお願いします!
眞杉 関東全体の流れが良いと思うし、来年はもっと良くなると思う。
自分としても、まずはグランプリ、そして来年も良いレースを見せられるように。楽しみながら頑張ります!
〈プロフィール〉
眞杉匠(栃木・113期)
デビュー2018年7月3日(函館)1・①・➌
19年11月19日付でS級2班へ特別昇級を果たすも、S級初戦の高松では7・6・2着、続く松山では9・9・9着と苦戦を強いられる。
それでもコツコツと先行力を磨き上げて、関東を代表する先行選手に成長を遂げた。
2023年主な成績
5月 ワンダーランドカップ(G3・宇都宮)➑・1・①・優勝
8月 第66回オールスター競輪(G1・西武園)❺・1・➋・①・➊・優勝
11月 第65回朝日新聞社杯競輪祭(G1・小倉)1・1・❼・③・優勝