特別インタビュー

KEIRINグランプリ2023 眞杉匠 グランプリ直前!独占インタビュー

2023/12/26

今年、大ブレイクの眞杉匠選手。オールスターでG1初優勝、栃木支部からは史上最年少のタイトルホルダーに。そして競輪祭で単騎で抜群のレースセンスを見せて2度目のG1優勝。関東を背負う若きエースが今年一年をふり返ります!

 

――今年の始め、どんな目標を立てていましたか?

 

眞杉 毎年、毎年そうだけど、前の年よりも良い成績を収められたら、と。もちろんタイトルを獲りたいとは思いもありました。

 

――ずっと目標にしてきた地元記念を優勝。そして、オールスターと競輪祭で2度のG1優勝。今年はやれそうな感じはありましたか?

 

眞杉 うーん、今年は番手回りも増えたので。そこもちゃんと出来なきゃダメだな、と思っていましたね。

 

――自己採点をするとしたら、何点でしょう?

 

眞杉 うーん…。厳しめにみて、75点!

 

――悔しかったレースをあげるとしたら?

 

眞杉 ダービーの準決勝ですね。相手が新山(響平)さんで、向こうのスタイルでやられた上にワンツースリーを食らった。何もできなかった。

 

――その後、地元・宇都宮記念は気持ちを入れ直して臨めましたか?

 

眞杉 そうですね。でも、競輪祭の前検日に今年のベストレースを聞かれても、パッと出てこなかった。

だから、今年はそんなに良いレースができなかったなって。成績は着だけ見たら良いですけど。

 

――優勝したオールスターの後、気持ちや意識に変化はありましたか?

 

眞杉 やっぱり、「自分だけで戦っているわけじゃない」というのは再認識しました。

 

 ――競輪祭の優勝はふり返ってどうですか?

 

眞杉 単騎で良い位置が取れて、流れが向いただけ。正直、インパクトのある勝ち方でもないし、まだまだだなって。それに競輪は「ライン戦」だから。

 

――デビュー当時、今の自分を想像できました?

 

眞杉 できない。だって、いつもグランプリは家で見てたし(笑い)。

 

――デビュー当時の目標は何でしたか?

 

眞杉 赤パンが格好良いと思って、SSになりたかった。ずっとSSで同地区だった平原康多さんに憧れていました。

平原さんには普段から相談したりするんですけど、的確に教えてくれて「やっぱりそうだよな」と再認識できる。迷いが吹っ切れるし、平原さんと話したこと全てが勉強になる。

(神山)雄一郎さんもそうですけど、背中を押してくれる存在ですね。

 

――栃木、関東だけにとどまらず、今では競輪界を代表する先行選手となりました。

 

眞杉 犬さん(犬伏湧也)とか北井(佑季)さんとかの方が徹底先行じゃないですか、新山さんとか。

本当はあれぐらいの先行をしたい。突っ張ってラインで決められるんだったら、それ以上の走りはないですから。

 

――その3人は意識する?それぞれ違う強さ、武器を持っていますけど。

眞杉 する。みんな俺よか全然強いです。

 

――今、関東勢は眞杉選手を中心に士気が高まっていますね。

 

眞杉 関東から9人、SSを独占したい!(笑い)

 

――可能性は…「0」じゃないですよ。

 

眞杉 厳しいでしょ(笑い)。

でも、北日本だって4人(佐藤慎太郎、新田祐大、守澤太志、新山響平)いたし、あれだけ多いとインパクトが強いですよね。

 

――先日、宿口陽一選手が「眞杉の周りは鼻息が荒い」と話していました。

 

眞杉 最近は栃木に来てくれる人が多くて、この間は埼玉から5人。黒沢征治に森田優弥、小玉勇一、荒木貴大、藤田周磨。

東京からは樋口開土、寺沼拓摩。板垣昴も。お互いに刺激が入るし、こっちもありがたい。関東にとって、すごく良い流れかなと思います。

 

――そのうち、弟子を取ったり?

 

眞杉 弟が中3で、来年から高校生に。自分と同じ作新(学院)の自転車部に入る予定なんですけど、(競輪を)やるって流れになるだろうから…。

そうなったら、自然な流れで師弟になるのかな。競輪学校に受かればの話ですけどね、まだ始まってもいないので。

 

――兄弟、似ていますか?

 

眞杉 性格は似ているかも。背がでかくて181ぐらいあって自分が177なので、見下ろされているんですよ(笑い)。

 

――ご自身の性格をどう捉えていますか?

 

眞杉 負けず嫌い、周りからも結構そう言われます。最終日に変なレースをすると「何やってんだ~」って、ずっと帰りの車の中で考えている。

道中でダメでも、最終日に終わり良ければって感じ。初日の滑り出しが良いと、その開催は良いのかな。初日にずっこけると、ね…。競輪はメンタルスポーツですから。

 

――競輪祭は2連勝でダイヤモンドレースと、最高の流れでしたね。

 

眞杉 オールスターの優勝でグランプリの権利を持っていたし、気持ちに余裕はあったのは大きいですね。

それでも、初日、2日目と連勝して気持ちの面では充実していたかなと。初日の入り方は大事。

 

――改めて、新たにSSとしてどう戦っていきたいですか?

 

眞杉 やっぱり単発で終わりたくない。自分のスタイルを崩さずというか、守りに入らずに走って、何年も赤パンを履き続けたいですよね。

 

――グランプリを優勝したら、ご褒美に何を買いましょうか?

 

眞杉 また車を!欲しい車?うーん…、いっぱいありますね。

 

――最後に来年を見据えて意気込みをお願いします! 

 

眞杉 関東全体の流れが良いと思うし、来年はもっと良くなると思う。

自分としても、まずはグランプリ、そして来年も良いレースを見せられるように。楽しみながら頑張ります!

 

〈プロフィール〉

眞杉匠(栃木・113期) 

 デビュー2018年7月3日(函館)1・①・➌

19年11月19日付でS級2班へ特別昇級を果たすも、S級初戦の高松では7・6・2着、続く松山では9・9・9着と苦戦を強いられる。

それでもコツコツと先行力を磨き上げて、関東を代表する先行選手に成長を遂げた。

 

2023年主な成績

5月 ワンダーランドカップ(G3・宇都宮)➑・1・①・優勝

8月   第66回オールスター競輪(G1・西武園)❺・1・➋・①・➊・優勝

11月 第65回朝日新聞社杯競輪祭(G1・小倉)1・1・❼・③・優勝